【上海発】キヤノン(内田恒二社長)と同社の中国現地法人である佳能(中国)有限公司(キヤノン中国、小澤秀樹社長)は、5月19~22日、上海市の浦東地区にあるイベント会場、上海国際会議中心で、「上海佳能博覧会(キヤノン・エキスポ上海)」を開催した。キヤノン・エキスポは、5年に一度、東京、パリ、ニューヨークを巡回するかたちで開催している。上海開催は初めてだが、4日間で延べ3万人を集めた。

「キヤノン・エキスポ上海」の会場入口

 ようこそ、未来の映像世界へ――。展示会場には、こんな横断幕が貼られていた。中国内でキヤノン製品イメージ・キャラクターの俳優、ジャッキー・チェンさんが、「キヤノン・エキスポ大使」を務めた。会場の中央には、世界を巡回したキヤノン・エキスポの最後を飾り、上海の地に、3都市を経てやってきたことをコンセプトにした巨大客船のモニュメントが置かれていた。

週末には開場前から300人近くの行列ができた

 キヤノン・エキスポ上海は、メディアを中心に業界関係者を集める従来の形式と異なり、一般消費者も対象にしている。前半の平日2日間の来場者は約1万人、後半が週末2日間で2万人に達した。週末の5月21日には、朝から300人近くが会場近くに行列をつくるほどの盛況ぶりで、午前10時予定の開場を早めたほどだった。

最新のデジタル一眼を手に撮影する姿が目立った

 展示会場で最も注目を集めていたのが、民生品では主力製品のデジタルカメラや最新のプリンタ、また法人向けではビジネスソリューションから医療機器までの幅広い商材だ。キヤノンによれば、イベントの事前登録の男女比は7対3で男性が多かった。しかし、大きな望遠レンズを抱えた男性に交じって、入門機にあたるデジタル一眼レフで撮影を楽しむ女性や家族連れの姿も目立っていた。

広い会場には人が溢れていた(左は巨大客船を模したモニュメント)

 最近、キヤノンのデジタル一眼レフカメラを購入したという20代の女性は、母親と共に来場。「キヤノンにはブランドがある。ソニーやニコンも知っているが、キヤノン製品は機能とイメージがいい」と話した。ここ数年、中国で強化しているブランディング戦略が、徐々に実を結びつつあるようだ。

 キヤノン中国で広報窓口を担当する企業広告科の古賀崇文高級経理は、「デジタルカメラやプリンタなど、出力と入力、またはその間に行う画像などの加工・補正を含めた“クロスメディアイメージング”が当社の強みだ。中国では、グローバル企業として展開する当社の認知度を一段と高めることを目指している」と会場でコメントした。

 キヤノンは、2010年度(2010年12月期)に3兆7000億円強だった連結売上高を、2014年までに5兆円にする長期計画を公表したが、このうち中国だけで1兆円を売り上げることを目標に、中国市場へのをこ入れを加速する。(現地リポート/伊達和久、再構成/谷畑良胤)