三菱電機グループは、6月8日~10日の3日間、千葉・幕張メッセで開催された「デジタルサイネージジャパン 2011」で、空港情報表示システム「フライトビジョン」を展示した。

 都内の電車に乗って扉の上を見ると、二つの小型画面に運行情報や多様なコンテンツが流れている――。三菱電機グループの製品「トレインビジョン」は山手線、京浜東北線、中央線などのJR各線、小田急線、東急線、東京メトロなど主要私鉄各社に導入され、そのシェアは90%以上という。このトレインビジョンの成功事例をもとに、新たに開発したのが空港情報表示システム「フライトビジョン」だ。

 デジタルサイネージは、視聴者が足を止めて見てくれなければ、設置効果は得られない。トレインビジョンは、電車の運行情報という乗客にとって「知りたい情報」を一方の画面に表示し、もう一方の画面に広告を流すことで「見てもらえる」仕組みをつくり上げた。フライトビジョンでも同様の仕組みを取り入れた。

 三菱電機インフォメーションシステムズと、三菱電機情報技術総合研究所/デザイン研究所は、昨年末から今年にかけて、フライトビジョンを中部国際空港内の3か所に設置する実証実験、約1か月間にわたって行った。

デジタルサイネージジャパンに展示された「フライトビジョン」

 設置場所は、船着き場やバス乗り場、駅などに通じる「アクセスプラザ」と国際線の保安検査場、荷物受取り場。フライトや遅延情報を流すとともに、検査場では混雑情報や注意事項、荷物受取り場では手荷物返却時刻の案内など場所に合わせて必要な情報を流した。その場所に関連して、例えば荷物受取り場なら、空港内のレストランや温泉の割引情報を流した。これによって、帰りがけにレストランや温泉に立ち寄る乗客が増えたという。

 コンテンツは、素材となる説明文や写真をメールで入稿することで、容易に差し替えることができる。

右画面の広告はメール入稿により作成できる

 三菱電機インフォメーションシステムズの官公・航空システム事業部 航空システム営業部の高梨郁子エキスパートは、「設置した場所で乗客にアンケートを実施した。どのようなコンテンツやディスプレイサイズが適しているのか、効果的にデジタルサイネージを提案するノウハウが蓄積できた」と話す。

 三菱電機グループは大手空港にフライト情報表示システム(FIS)を導入していることから、これに連動するシステムとしてフライトビジョンの拡販を進める考えだ。(鍋島蓉子)