アプレッソ(長谷川礼司社長)は「DataSpider最新情報と事例紹介セミナー」を6月22日、東京・千代田区で開催した。セミナーでは、データ連携ミドルウェア「DataSpider Servista」の最新バージョン「3.0」を説明。また、日本貨物航空をはじめとする「DataSpider」の導入事例や活用ソリューションを紹介した。

セミナーは満席の盛況

 「DataSpider」は、さまざまなデータをアダプタを使って取り込み、ノンプログラミングで変換・加工する製品。設計書を書いている感覚で実装ができ、2フェーズコミット、エラーハンドリングなど、必要な機能をほぼ網羅しているのが特徴だ。今年5月までに1350社での導入実績をもっており、データウェアハウスやEDIシステム構築、パッケージ導入による周辺システムとのデータ連携など、幅広く活用されている。

 40種類以上のアダプタを揃え、国産製品のネイティブアダプタも提供している。最近ではクラウドへの要望が高くなっていることから、アプレッソでは、Amazon Web Service、Google Apps、Salesforce.com、Windows Azure、国産のニフティクラウドのアダプタを提供している。小野和俊副社長CTOは「サービスが動き出してからアダプタをつくっていたのでは遅い。プラットフォームベンダーと連携して開発を進め、サービスインとほぼ同時にアダプタが出るよう、速いスピードで対応している」と話す。

アプレッソの小野和俊副社長CTO

 今年第3四半期に提供を開始する「DataSpider Servista 3.0」は、クラウド対応を強化。社内に「DataSpider」を置き、クラウドと社内システムを連携する「DataSpider for Cloud」機能に加え、「DataSpider」そのものをクラウドに置きたいという要望に応えて、プライベート/パブリッククラウドに設置できる「DataSpider on Cloud」も提供する。

 これに伴い、ウェブブラウザで動作する開発クライアント「DataSpider for Web」をオプションで用意した。小野副社長は、「ブラウザでは動作がもたつくと思われるかもしれないが『Microsoft Silverlight』に書き直し、通信も見直したので、実際はかなり高速に仕上がっている」と自信を示した。

 続いて、アプレッソのパートナーであるテラスカイの竹澤聡志取締役が、「DataSpider」の活用法を講演。クラウドの導入支援とクラウドと社内システムのデータ連携を長く提供している立場から、エンドユーザーがクラウドを使わない理由を列挙し、「DataSpider」による解決策を提示した。また、自社のSaaS型データ連携サービス「SkyOnDemand」を説明。竹澤氏は「DataSpiderは万能なので、いろんな場面で使っていただくことができる。連携もクラウド化したいなら、『SkyOnDemand』をご検討いただきたい」と話した。

テラスカイの竹澤聡志取締役

 導入事例紹介では、日本貨物航空管理本部の高橋正美IT戦略部長とIT戦略部技術系システムチームの楠明裕氏が登壇。日本貨物航空は、短期でのITシステムの自立化と基幹システムの構築を迫られたが、「IT部門の組織強化と人的強化を行い、中国人エンジニアを起用してシステムを構築した」(高橋部長)という。「DataSpider」は、自社の整備管理システムとボーイング社の部品管理システムとのデータ連携で活用。楠氏は「運用開始後に分かった問題点もあったが、難なく直すことができた。ノンプログラミングのコンセプトに助けられた」と振り返った。

日本貨物航空の高橋正美IT戦略部長

日本貨物航空の楠明裕氏

 セミナーの後半では、アプレッソの千葉隆一営業部長が最新事例とデータ連携のトレンドを解説した。データ連携のトレンドとしては、データベース(DB)同士、もしくはファイルサーバーとDBでのデータ連携や、BIシステムでの活用、Salesforceなどのクラウド、SAPとの連携などが増えている。また、DataSpider導入が多い業種について「情報通信業、製造業、サービス・物流系や金融・保険の伸び率が高まっている。また官公庁からの引き合いや医療・製薬も顕著に伸びている」と説明。古川電工産業電線、KVH、IDCフロンティア、ジャフコの事例を披露した。

アプレッソの千葉隆一営業部長

 パートナーのアテネコンピュータシステムは、「全国1200名の業務をモバイルで効率化 DataSpiderをEAIハブに使った業務基盤」として沖電気カスタマアドテック(OCA)の事例を発表した。OCAではモバイル端末を用いた業務支援システム「@スマートCEシステム」を運用しており、業務システムとモバイル端末とのEAIハブで「DataSpider」を採用している。アテネコンピュータシステムのソリューション事業部営業企画グループの長崎譲治氏は「『DataSpider』を選んだのは、データ連携に必要な機能をもっていたから。シンプルな操作性を評価した」と語った。

アテネコンピュータシステムの長崎譲治氏

 同じくパートナーのレコモットの東郷剛代表取締役は、「DataSpide」rを活用したモバイルトータルソリューション「moconavi」の紹介を行った。「moconavi」は、会社のPCのメール、スケジュール、連絡先などを携帯電話やスマートフォンから使うことができる法人向けモバイルソリューション。「Siebel」や「Intra-mart」などについて「DataSpider」を活用している。氏は「業務システムをモバイルで活用したいときに『DataSpider』と『moconavi』があればすべてできる製品として作り込みたい」と話した。

レコモット東郷剛代表取締役

 最後に、エス・エス・ケイ・コミュニケイションズの経営企画室医療プロジェクトの川上雅勝プロジェクトリーダーと、IT事業本部第一業務グループの田中麻衣氏が、病院会計ソリューション「SuperHospital α」の紹介を行った。このシステムは、病院内に散在するシステムやデータを連携するソリューションで、DataSpiderを活用することで多様なシステムに対応することができた。(鍋島蓉子)

エス・エス・ケイ・コミュニケイションズ経営企画室医療プロジェクトの川上雅勝プロジェクトリーダー

エス・エス・ケイ・コミュニケイションズIT事業本部第一業務グループの田中麻衣氏