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シネックスインフォテック、改革の手緩めず、スリープロとの協業も

2011/07/12 10:33

 丸紅インフォテック改め、シネックスインフォテック(シネックスインフォ、ロバート・ファン社長&CEO)が2010年12月に誕生してから約7か月が経過した。ビジネスプロセスサービス大手の米シネックスの創業者で前会長兼CEOのロバート・ファン氏の陣頭指揮の下、「ベストなサービスを最も効率よく提供するディストリビュータ」を目指し、多くの改革を断行。成果が徐々に現われてきている。今年7月11日には、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の松本芳武氏が8月1日付で社長に就任し、ファン氏は会長となることを電撃発表した。変革のスピードをさらに加速しようとしている。

 ロバート・ファン社長は今年6月、同社が取り扱うベンダーの新製品やソリューションを紹介するイベント「SYNNEX IT Conference 2011 TOKYO」の基調講演で、「ディストリビュータの基本的な役割は、できる限り迅速に商材を流通させることにある。物流機能をアウトソーシングすることは、レストランがキッチンをアウトソーシングするようなものだ」と強調した。10年12月に社長に就任して以来、物流機能の内製化を進め、千葉県柏市と大阪府茨木市に拠点を設置。それぞれ、今年2月と5月にカットオーバーを迎えた。

ロバート・ファン社長&CEO

 旧丸紅インフォテックは、丸紅グループのロジパートナーズに物流業務を委託していたが、米シネックスの傘下に入ったことに伴い、これを変えた。2拠点の施設はロジパートナーズなどと賃借契約を結び、柏市の拠点での運送手配の関わりを除き、「器だけを借りている」(坂元祥浩・執行役員管理部門長補佐兼経営企画部長)状況だ。

 すでに、オペレーティング(物流関連)コストの大幅な削減効果が現れてきている。具体的には、現状で15~20%のコスト削減効果が出ている。(物流拠点の)引っ越しなど一時的な出費を除外すれば、25%程度の削減にまでなっているという。今後は、拠点の追加や自社施設の建設の可能性もあるとする。なお基幹システムは、営業の効率向上を目的に、シネックスの「カスタマーインフォメーションシステム(CIS)」を導入した。

 費用対効果を最大化するローコストオペレーションの実現に加え、サービスの強化に力を入れている。シネックスは、コントラクトアセンブリサービスやビジネスプロセスアウトソーシング、オンラインサービス、金融サービス、テクニカルソリューションサービスなどを展開し、事業運営に大きな優位性をもたらしている。

 日本国内では、シネックスとファン社長が出資する投資会社であるグローバルBPOがスリープログループの株式を16.13%まで買い増し、筆頭株主となった。スリープロは、コールセンターやフィールドインストレーションなどのサービスを提供している企業。2010年度(10年10月期)の連結売上高は135億9200万円、営業利益2億500万円、経常利益1億4400万円で、純損失が6億3500万円だった。

 7月11日には、日本HPで、エンタープライズ・ストレージサーバー事業統括執行役員などを経て、現在はエンタープライズビジネス営業ストラテジック・プロジェクト担当を務める松本芳武氏が8月1日付で執行役員社長&CEOに就任することを電撃発表した。ファン社長は代表権をもつ会長に就任し、これまでの基本路線を踏襲しつつ、事業拡大に弾みをつける意向を示している。(信澤健太)

※本記事の詳細は「週刊BCN」(2011年7月18日付 vol.1391)に掲載

※7月12日に見出しを変更いたしました。
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外部リンク

シネックスインフォテック=http://www.synnexinfotec.co.jp/