有力SIerのシーイーシー(CEC、新野和幸社長)のエネルギーマネジメント事業が拡大している。同事業で今期(2012年1月期)、急速に立ち上がり始めたのが、非常用電源として使われるバッテリ診断サービスだ。背景には、首都圏の電力事情の抜本的な改善見通しが立ちにくい状況下で、ユーザー企業がいざというときに欠かせない非常用電源に強い関心を示していることがある。

井上真司部長
 バッテリ診断サービスは、オフィスビルや電算室、病院などで使われる鉛やアルカリ式の蓄電池の劣化状態を診断するもので、劣化している部分(セル)だけを交換することでユーザー企業のコスト削減につなげる。サービスの名称は「Ino-BEIS(イノ・ベース)」。これまでは、メーカーが推奨する交換時期に合わせて、劣化の有無にかかわらず交換するケースが多かったが、セル単位で劣化している部分だけを交換すればコスト削減や環境負荷の軽減に役立つ。

 東日本大震災以降、不安定な状態が続く首都圏の電力事情の下で、CECの井上真司・環境ソリューション部事業推進部長は、「非常用電源として備えてあるバッテリへの関心が高まっている」と診断需要の背景を語る。「Ino-BEIS」事業が好調なことを受けて、CECの環境ソリューション部門の今期(2012年1月期)売上高は、昨年度比でざっと10倍に急拡大する見込みだ。

 バッテリは、一般のオフィスビルでは通路などに掲示してある「非常口」のライトを停電時に点灯させたり、電算室や病院では停電時でも安全が保たれるよう、「数千セル規模の大容量バッテリを備えてあるケースが多い。普段、あまり目にすることはないが、実はとても身近な存在」(井上部長)だという。CECでは、エネルギーマネジメント領域でユーザー企業との接点を広げ、段階的にエネルギーマネジメントシステム(EMS)領域全体へとビジネスを発展させていく方針だ。(安藤章司)