パナソニック電工インフォメーションシステムズ(パナソニック電工IS、前川一博社長)は、電力消費モニタリングソフト「eneview(エネビュー)」の累計納入本数を向こう2年間で直近の10倍に相当する200本へ増やす。電力事情がひっ迫するなかで、企業ユーザーの自己防衛ニーズが高まっていることが強気の販売計画の背景にある。EMS(エネルギーマネジメントシステム)事業に取り組むベンダーなどと販売面で協業を深めていくことで、シェア拡大を狙う。

 「eneview」は、パナソニック電工ISのなかでERPやシンクライアント、ビデオ会議システムなどと並ぶ有力商材である。昨年度上期(11年4~9月期)では売り上げベースで220%余り伸びた。パナソニックグループは電力消費や温度・湿度などのセンサ技術に強く、「eneview」はこうしたグループの技術を積極的に結集していくことで差異化を図る。販売面では、EMS事業を重視する保守サービス会社などとの連携を強めていくことによって、チャネルの整備を進める考えだ。

 ただし、課題もある。電力消費を計測して可視化するモニタリング中心のEMSでは、最終的には人の手で節電を実行しなければならない。このため「まずは電気を使っている人の意識改革と、電力消費を抑える行動を起こしてもらうことが欠かせない」(パナソニック電工ISの藤田桂一・新事業企画グループ長)要素となる。つまり、モニタリング系EMSを導入しても、行動につなげなければ節電にならず、顧客満足度を下げかねないのだ。

 同社では「eneview」の納入にあたって、まずは部分的な可視化を行ったうえで、事業所ならば従業員、大学などでは学生といった電気を使う人がどのような行動を起こせば節電につながるかの検証コンサルティングサービスを重視する。販売面でもこうしたサービスを提供するベンダーとの協業を進め、「eneview導入によって確実に電気料金が下がり、投資対効果が見込めるようにする」(木原正人・新事業企画グループエキスパート)ことで販売増につなげていく考えだ。(安藤章司)

藤田桂一グループ長(右)と木原正人エキスパート