大手SIerの新日鉄ソリューションズ(NSSOL、謝敷宗敬社長)は、エンタープライズ向け共有クラウドサービス「absonne(アブソンヌ)」の大幅な機能強化を図る。今年5月に次世代型の「第5DC」が開業するのを受けて、absonneも今夏をめどに刷新。第5DCの高規格なインフラを活用することで、「コストパフォーマンスの高い共有クラウドサービスでありながら、大規模基幹システムを運用できる本邦初のサービス」(宮辺裕常務)に仕上げる。

新日鉄ソリューションズ
宮辺裕常務
NSSLCサービス
林田栄一社長
 absonneは、ユーザー企業のITシステムにかかるトータルコスト(TCO)を客先設置の従来型に比べて最大約2割削減できる共有型クラウドサービスで、プライベートクラウドとパブリッククラウドの中間的な位置づけのサービスだ。これまでは、中規模程度の基幹業務までをメインターゲットにしていたが、第5データセンター(DC)の開業を受けて「大規模システムにも対応する準備を進める」(宮辺常務)としている。

 大規模基幹システムは、NSSOLのクラウドサービスラインアップでいえば、プライベートクラウドの「NSGRANDIR(エヌエスグランディール)」でも対応できるが、共有型absonneでも機能強化によって大規模な基幹業務を運用できるようにする。absonneのコストパフォーマンスの高さを武器に競争力を強め、第5DCを活用したビジネスの受注拡大につなげるのが狙いだ。

 absonneは、もともとパブリッククラウドよりも上位のサービスを提供するために開発したもの。システムの規模を問わずに使えるパブリック型と差異化を図るために、「ある程度規模の大きいユーザーを念頭に置いたメンバーシップ型に近い」考え方だ。“次期absonne”は、こうした特性をさらに一歩進め、ミッションクリティカルな領域を共有クラウドでカバーする「本邦初の取り組み」を実践する。こうした先進的な取り組みが後押しするかたちで、第5DCは開業を前にして「ラック換算で約1300ラックの容量のうち、すでに3分の1ほどの受注のめどがついている」(DC事業を担当するNSSLCサービスの林田栄一社長)と、手応えを感じている。(安藤章司)