日本オラクル(遠藤隆雄社長)は、オラクルのシンクライアント基盤「Oracle Sun Ray」システムが、広島県廿日市市(眞野勝弘市長)の出先機関を含む全庁規模で、職員が利用する既存PCに代わる端末として採用され、稼働を開始したと発表した。

 廿日市市は、これまで約1100人の職員の業務用端末としてPCを利用していたが、多くのPCが長期間の利用で老朽化し、ハードディスクドライブの故障などが頻発。市の情報システム部門である総務部情報推進課に持ち込まれるPCの修理件数は、年間約240件に達していたという。また、PCのOSやソフトウェアのバージョンは新旧が混在し、職員の業務効率の低下や、管理・保守コストの増大に結びついていた。

 PCの故障は職員の業務停止に直結するだけでなく、対応する情報推進課の業務を中断させ、修理完了後のPCの再インストールにかかる時間や消失したファイルやデータの復旧にかかる費用など、コスト負担は年間で約900万円相当となっていた。また、老朽化したPCには起動に数十分要するものがあるなど、生産性も低下していた。

 こうした情報端末管理の課題を改善する手段として、市は「Oracle Sun Ray」システムの採用を決定し、オラクルのx86サーバー「Sun Fire X4170 M2」でシンクライアントのサーバー基盤を構築。共有データの保存と複製によるバックアップ用途に、ユニファイド・ストレージ製品「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」を導入した。

 「Oracle Sun Ray」システムは、オラクルのシンクライアント端末「Sun Ray 3」と、Windows環境をサーバーに統合・リモートで管理する「Windows Server Remote Desktop Services」を連携させるサーバー基盤「Sun Ray Software」で構成される。廿日市市は、システムの採用・稼働開始にあたって、(1)端末の低い故障率、高いセキュリティ、省電力性、静音性、(2)OSやソフトウェアのバージョンなどの統一、標準化による容易な管理、(3)端末の高速起動やサーバーの高いパフォーマンスによる業務効率の向上――などの点を高く評価した。

 システムの導入プロジェクトは、廿日市市の情報システムに精通するエネルギア・コミュニケーションズ(エネルギアコム)が担当。業務効率を向上させる豊富なノウハウを活用して、廿日市市の「Oracle Sun Ray」システムの導入を実施した。また、日本オラクルはシン・クライアント基盤の構築と運用について助言し、プロジェクトの円滑な推進をサポートした。