ICT(情報通信技術)事業を手がけるNECネッツエスアイ(和田雅夫社長)は、4月1日付で、NECモバイリングから移動通信基地局の関連事業を吸収する。自社の移動通信基地局ビジネスに統合し、エンジニアリング、工事、保守修理サービスのすべてを提供する体制を築く。こうした取り組みによって競争力を強化し、高速通信方式のLTEの普及とともに需要が高まっている基地局づくりの市場を開拓するのが狙いだ。事業体制の統合を踏まえ、2016年までに10億円の売上増加を目指す。

南省吾
執行役員常務
 統合の背景には、スマートフォンなどモバイル端末の普及によって、通信キャリアがネットワークインフラの強化に投資指定する動きがある。NECネッツエスアイでは、LTE基地局の数が2015年までに倍増するとみて、「向こう3~4年の間、大きな仕事が続く」(ネットワークインフラ事業本部を率いる南省吾・執行役員常務)ことを見込んでいる。

 市場が活況を呈する状況にあって、プレーヤー間の競争も激しくなりつつある。ゼネコンや電力会社系、富士通など競合メーカーが市場開拓に取り組んでいる。

 KDDIとソフトバンクモバイル向け案件に強いNECネッツエスアイは、NECモバイリングの移動通信基地局事業を吸収することによって、これまで弱点だったシステム設計や機器試験といったエンジニアリングと保守修理サービスを補充する。自社の強みである設備設計・設備工事と合わせ、基地局づくりの全工程を1社で提供することで、競争の激化に立ち向かう構えだ。

 4月1日付で、NECモバイリングで基地局事業に携わっている従業員がNECネッツエスアイに出向する。半年後をめどに移籍を目指し、営業や技術など組織の統合を進めていく。統合が完了すれば、約150人の人員体制になる。

 NECモバイリングの基地局事業の売上高は66億5100万円(2012年3月期)。これを、NECネッツエスアイの基地局事業の約150億円と合わせ、200億円以上の規模となる。南常務は、「統合によって、単に各社の売上高を足し算するのではなく、相乗効果を発揮して2016年までに10億円増を目指す」と述べる。

 基地局事業を分割するNECモバイリングは、主要ビジネスであるモバイル端末販売にリソースを集中して事業を展開する。(ゼンフ ミシャ)