仙台に本社を置き、聴覚障がい者向けの情報通信サービスを展開するプラスヴォイス(三浦宏之社長)と、同じく仙台を拠点とするソフトウェアベンダーであるアンデックス(三嶋順社長)は、iPad専用アプリ「手書き電話」を共同開発し、このほどリリースした。聴覚障がい者や高齢者などのコミュニケーションツールとしての用途のほか、コールセンター、サポートセンターの聴覚障がい者向けサービスでの導入も提案する。

三嶋順
アンデックス社長
 「手書き電話」は、遠隔地にいる人同士が、ホワイトボードを共有するようなかたちで、iPadやiPad miniを使って、手書きでコミュニケーションできるアプリだ。アナログ的な操作感で、「ITになじみのない高齢者でも直感的に使うことができるように工夫した」(三嶋社長)という。事実、早くも老人性難聴者には好評を博している。

 これまで、聴覚障がい者の通信手段は、ファックスやEメールなどが使われてきたが、リアルタイムで双方向のコミュニケーションができる手段は確立されていなかった。さらに、2011年の東日本大震災でも、「緊急時における聴覚障がい者のリアルタイムなコミュニケーション手段は極めて限定されている」(三浦社長)という現実があらためて浮き彫りになった。

 プラスヴォイスは、聴覚障がい者向けに、テレビ電話を通じて手話を翻訳し、電話を代行するサービスや、企業の聴覚障がい者向けコールセンターサービスなどを手がけている。そのノウハウをもとに、およそ2年前にアンデックスと共同で、聴覚障がい者の新たなコミュニケーションツールとして、「手書き電話」の開発に着手し、今年1月末にリリースした。

 現在は、アプリのダウンロードによる個人利用に用途が限定されているが、いずれはスマートモバイル関連のコンテンツ開発やウェブシステム基盤の提供を積極的に進めているアンデックスの技術力を生かし、法人のコールセンターサービスへのシステム提案なども検討していきたいとしている。(本多和幸)

「手書き電話」を操作するプラスヴォイスの三浦宏之社長