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さくりすITサポート 「あさまチャンネル」で地域活性化 成功モデルの構築を目指す

2013/04/11 18:31

週刊BCN 2013年04月08日vol.1476掲載

 有限責任組合(LLP)の「さくりすITサポート」が2012年8月末から手がけている地域情報配信プラットフォーム事業「あさまチャンネル」に動きが出てきた。3月の時点で、長野県佐久市の岩村田商店街の各店舗が賛同する動きをみせているほか、大手小売業者などとのアライアンスも模索している。デジタルサイネージシステムなどの有効利用で、地域が活性化する成功モデルの構築を目指している。

「あさまチャンネル」のプランナーを務めるキップルの吉田達矢代表
 さくりすITサポートは、ITを活用した情報発信によって地域を活性化することを目的として設立されたLLPで、現在、長野県佐久市の岩村田商店街を中心に行政情報やイベント情報などを配信するプラットフォーム事業「あさまチャンネル」を手がけている。地域関連情報のブログをまとめたブログポータル「あさま日和」がコンテンツとして参加することになり、デジタルサイネージによる情報配信、タブレット端末への情報配信、ロケーションクーポンや電子マネーとの連携などを視野に入れた取り組みを進めている。

 この事業に賛同した岩村田商店街の各店舗には、デジタルサイネージを設置して、そのデジタルサイネージに賛同店舗のPRなどをコンテンツとして配信している。デジタルサイネージの設置を含めた利用料金はコンテンツによって異なっており、静止画で月額5000円、動画で月額3万円などに設定している。

 この事業のプランナーであるキップルの吉田達矢代表は、「事業を開始してほぼ半年が経過した今年3月初旬の時点で、15店舗にデジタルサイネージを設置し、さらに5店舗に設置の準備を進めている。ようやくかたちになり始めた」という。2013年度(14年3月期)は、継続してデジタルサイネージの設置店舗やクライアントを増やしていくことに力を注ぎ、「50店舗から賛同を得る」という計画を立てている。

 また、岩村田商店街でデジタルサイネージを設置するだけでなく、地元スーパーへの設置も模索。加えて、大手小売業者のプラットフォーム事業との連携も視野に入れている。このような取り組みによって、「商店街への来訪者を増やして活性化を図る」としている。

 商店街の各店舗にデジタルサイネージを設置する際、「ブロードバンド環境がない店舗や、マンションなど建物の構造の関係で無線LANが構築できないなどの課題があった」と打ち明ける。各店舗のインフラを整備することによって、その課題を解決して、徐々にではあるが店舗数が増えている状況になってきたことから、「岩村田商店街で成功した際には、ほかの商店街にも横展開することを計画している」との考えも示している。(佐相彰彦)
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外部リンク

さくりすITサポート=http://sakulis.jp/