日商エレクトロニクスの子会社のエヌシーアイ(NCI、橋本晃秀社長)は、IaaSサービス「ZETA Cloud Private」で、大阪市と石狩市に設置するデータセンター(DC)をL2ネットワークで接続した仮想DCサービスを開始した。

 2か所のDCに構築したプライベートクラウド基盤を連携させることで、大阪と石狩のDCを仮想的に一つのシステムのようにして動かすことができる。大阪と石狩のDCは1100km離れており、電力の供給を受けている電力会社が異なる。災害が発生したり長期停電が起きたりして、一つのDCが正常に稼働できなくなった場合、もう一つのDCでユーザーのクラウド環境を運用する。ユーザー企業は、1か所のDCで運用するよりも安定したクラウド環境でシステムを継続運用することができる。L2ネットワークによる接続は、ITベンダーにとって多額の設備投資が必要でサービス価格が高くなるが、「当社のサービスは、大手ライバル会社に比べて半額または3分の1の料金で提供できる」(サービス企画部の下野昭一部長)という。

 NCIは、ユーザー企業への直販だけでなく間接販売も手がける方針。チャネル事業について下野部長は、「クラウドビジネスを始めたい、あるいは強化したいというITベンダーは、当社のDCをぜひ活用してほしい。ユーザー企業のデータを安全に確実に運用することができて、運用もNCIが支援するのでITベンダーは、アプリケーションソフトの開発など得意分野に集中でき、手間なくクラウド事業を拡大することができる。協業内容はパートナーの要望に合わせて柔軟に決める」と話している。

 NCIは、「ZETA Cloud」を事業の柱に位置づけ、サービス内容を強化している。今回の仮想DCサービスに加えて、9月上旬にはデータのバックアップサービス「ZETA Cloud Backup」を開始した。ユーザー企業のデータを石狩のDCにバックアップするサービスで、海外では約20万サーバーで利用されている米国ITベンダー製のソフトを活用してサービス基盤を整えた。

 メニューはバックアップができる容量に合わせて「100GB」「500GB」「1TB」を用意。価格は容量100GBの場合で初期費用5万円、月額費用1万5000円としている。(木村剛士)