NECファシリティーズ(田中邦彦社長)は、設備管理(ファシリティマネジメント=FM)で使う基幹業務システムを刷新した。バックヤードで使うFM基幹システムを「Microsoft Dynamics CRM」上で再構築するとともに、フロントエンドの「フィールドフォースオートメーション(FFA)システム」は、ソフト開発会社ビジー・ビーの「Field Force」をベースに開発した。

小野寺均
取締役
 端末はAndroid OSで動くNECの「LifeTouch B」シリーズを使うこともでき、防水仕様やmini HDMI画像出力にも対応できる。工場やオフィス、インフラ設備などの設備管理を総合的に行う仕組みを刷新したことで生産性を高め、ビジネス拡大を図る。

 「LifeTouch B」シリーズを活用したFFAシステムは、現場での点検や検針業務の効率化に役立っており、業務の工数を最大およそ2割削減することができる。FFAで集めた情報は、Dynamics CRM上で稼働する「FM基幹システム」で一元的に管理。過去データとの比較分析を行うことでトラブルを未然に防止したり、省エネルギーへの改善につなげる。

 電力使用量の削減や、設備関連の運用コストを削減したいというユーザー企業のニーズは根強く、NECファシリティーズではFM基幹システムなどのシステム基盤上で約90種類のサービスメニューを用意。今後5年間で新たに100ユーザーの獲得、金額ベースでは累計20億円規模の受注増を目指す。

 また、国が推進する成長戦略の一環として、2020年までに外国企業の対日投資残高を直近の約2倍に相当する35兆円へ拡大する目標を掲げているが、NECファシリティーズも国の目標に呼応するかたちで、外資系企業向けのインフラ設備管理事業を強化する。

 国内市場の成熟化や若年労働者の減少、人件費の高止まりなどで外国企業が日本に工場などのプラントを建設するケースは少ない印象を受けるが、「実際は、製薬会社などの医薬品製造工場の進出は増えている」(NECファシリティーズの小野寺均取締役)という。医薬製造などの業種からみれば、日本は少子高齢化という“成長市場”であることに加えて、付加価値の高い医薬品ならば外国企業が日本で製造しても採算に合うとソロバンを弾いているようだ。

 外資系企業は本国親会社の設備管理手法や、日本国内の環境基準などの両方に合致させる必要があることから、設備管理は一般的に複雑になりがち。NECファシリティーズはこうした外資系企業から一括で設備管理の案件を請け負うことでビジネスを伸ばす。外資系企業向けのビジネスでは向こう3年で50ユーザーの獲得、累計80億円の受注増を見込んでいる。(安藤章司)