データセンター(DC)サービス世界大手のエクイニクスは、アジア太平洋(APAC)地域でのビジネス拡大を積極的に進めている。日本と中国、ASEANといった主要市場を軸にDC設備を拡大してきており、直近ではラック換算で約2万5000ラック相当をAPAC地域で展開するほどだ。

 国内でも、2013年12月に関西電力グループのケイ・オプティコムと関電エネルギーソリューションなどと協業するかたちでおよそ800ラック相当までの拡張に対応する最新鋭DCを大阪に開設。国内では、既存の首都圏の4DCと合わせて計5か所、ラック換算で最大4500ラック相当の収容能力をもつまでになった。

 エクイニクスは、APAC地域を大きく日本と中国、ASEANなどの地域に分け、東京や香港、上海、シンガポールなどの主要都市に集中してDC設備を拡充。国や地域のニーズや規制に合わせて、随時、関連する都市へのDC投資を増やしている段階だ。今回の大阪DCの開設もその一環で、「大阪でのDC供給量がここ数年細っている」(エクイニクス・ジャパンの古田敬代表取締役)という点に着眼し、同社としては初となる大阪DCの開設に踏み出した。地場のビジネスパートナーとして関西電力グループと組み、地元の産業系ユーザーやネットサービス系のユーザーへの売り込みに本腰を入れる。

 ASEAN地域では、シンガポールを軸とする展開を重視。米国に本社を置くエクイニクスは、もともと欧米の顧客を多く抱え、そのうちASEAN市場に進出するユーザーの「最初の進出先となるのがシンガポール」(エクイニクスのサミュエル・リー=李有達 アジアパシフィックプレジデント)となる比率が高い。シンガポールに最初の情報システム基盤を確保したのちに、タイやマレーシア、インドネシア、フィリピンなどのASEAN主要市場へ進出するケースが多いという。

 国によっては重要データを国外へ持ち出すことを制限しているケースもあることから、「国や地域の規制に対応するために、地域密着のDCの増設にも力を入れる」(リー・アジアパシフィックプレジデント)と、グローバル企業のニーズと規制への対応を両立していくことでシェア拡大につなげる。通信サービスに対する規制が厳しい中国でのDCを活用する外資系ユーザーは、「中国市場に狙いを定めて、規制対応を求めるユーザーが多い」と分析する。

 エクイニクスは、日本や中国、ASEANなど主要市場へ進出するユーザーにDCサービスを提供し、自社のDC同士を太いネットワークで結ぶことでAPAC地域全体を網羅するサービス網を構築。こうした取り組みが評価されてAPAC地域の売り上げは、M&A(企業の合併と買収)要因を除いたオーガニック成長でみても、近年20%あまりの増加の勢いで成長している。日本国内でも「2014年以降は、APAC地域の売り上げの増加率を上回る勢いで国内ビジネスを成長させる」(古田代表取締役)と意気込みをみせている。(安藤章司)

サミュエル・リー・プレジデント(左)と古田敬代表取締役