エプソンダイレクト(吉崎宏典社長)が、昨年12月に発売したウルトラコンパクトPC「Endeavor ST 170E」が好調だ。特定業務向けの新たな市場を開拓する戦略商材と位置づけており、エプソン販売(平野精一社長)と連携し、ビジネス用途の販売に力を入れる方針だ。

河合保治
取締役
 直販BTOパソコンブランドの先がけとして1993年に創業したエプソンダイレクトだが、現在では、ユーザーの75%が法人。さらに、官公庁や文教市場、大企業、中堅企業向けにはエプソン販売を経由した商流で販売しており、ビジネスのボリュームとしては、法人向けの間接販売が50%を占める。

 河合保治取締役は、「直販メーカーといっても、物量の規模によるコスト縮小は目指していない。BTOメーカーは数多あるが、最大4億通りというカスタマイズの豊富さや、それらをすべて動作保証したという信頼性などが評価され、法人に受けている。納期も2日が基本で、配達日指定もできるので、品物のストックヤードがない中小のSIerなどの販売パートナーにも重宝がられている」と、同社のビジネススキームと法人向けPCビジネスとの親和性の高さを強調する。

 これまでは、創業当時からのユーザーである個人やSOHO向けと、エプソン販売経由の間接販売による官公庁、文教市場を中心としたオフィスユースの二つの分野が事業の柱だったが、同社は「Endeavor ST170E」の発売をきっかけに、「特定業務向け」という三つ目の事業の柱を打ち立てようとしている。

 「Endeavor ST170E」は、光学ドライブを省略したモデルで45ミリ×185ミリ×195ミリという超小型サイズ。従来の同社省スペース型デスクトップPCと比べても、圧倒的に小さい。そのメリットを生かして、店舗の小型カウンターで使うPC-POSや、デジタルサイネージプレーヤー、図書館など公共施設の受付やサービス用端末、自動精算機、各種券売機、コールセンターなどの用途で訴求していく。河合取締役は、「Windows XPパソコンからの移行などとは違う軸で需要を掘り起こすことができる製品だと自負している」と話しており、エプソン販売、さらには地域に密着したSIerなどと連携し、ユーザーの業務に即したソリューション提案の核として拡販を狙う。

 2014年度の「Endeavor ST170E」の販売目標は5万台。特定業務向けの販売量では、従来モデル比で200%の成長を目指す。(本多和幸)