BCN(佐藤敏明社長)は、4月17日、サイボウズとの共催でクラウド時代のSIビジネスをテーマとした「SIer必見! BCN×サイボウズ コラボレーションセミナー」を東京・千代田区で開催した。IT業界の動向やクラウドのビジネスチャンス、業務システムの開発環境を提供するサイボウズのクラウドサービス「kintone」の最新情報や事例などを紹介した。

 冒頭のセッションでは、「明日では遅い!クラウドのビジネス化へ急げ」と題して、『週刊BCN』の谷畑良胤編集委員が講演。ウェアラブルデバイスやIoT(Internet of Things)など、米国のITトレンドや、クラウドがITベンダーのビジネスをどのように変えていくのかを解説した。クラウドのビジネス化に成功した実例として熊本のITベンダーを取り上げ、「地場No.1のクラウドベンダーを目指していて、売り上げも伸びている。こうしたCIer(クラウドインテグレータ)がこれから増えてくるのではないか」と述べた。

サイボウズの栗山圭太SMB市場統括責任者

 続くセッションでは、「IaaS起点で見たクラウド市場の覇権」と題し、週刊BCNの畔上文昭ディレクターが、好評だった『週刊BCN』の特集「vs. AWS」の裏話を”ここだけの話“として紹介した。

 続いて、サイボウズの栗山圭太SMB市場統括責任者が、「kintoneビジネスの現況と未来」と題して講演。「kintone」の機能を解説するにあたって、リリースから最新アップレートまで、これまで追加してきた機能から「kintone」が支持される理由を紹介した。2011年11月にサービスを開始した「kintone」は、現時点の有料契約者数が1300社を超えるという。今年の3月だけでも164社が新たに契約し、その数は加速度的に伸びている。昨年後半からは、大規模案件も増えてきているという。今後について、栗山SMB市場統括責任者は、「パートナー企業とのSI案件を増やしたい。『kintone』とパートナー各社の製品との連携を軸にしたビジネスにも力を入れていく」と訴えた。

 休憩をはさんで再び登壇した栗山SMB市場統括責任者は、三つの事例を紹介した。一つは、最も多いというMicrosoft Excelからの移行事例。通信販売のベルーナは、外部とのやり取りにExcelを使用していたが、どのファイルが最新バージョンなのかがわからなくなる問題が出てきたことから、その運用を「kintone」に切り替えた。二つ目は、ERP(統合基幹業務システム)パッケージとの連携事例。ERPの情報を社外から確認したいというニーズに対して、「kintone」がフロントエンドツールとして使われるケースが多いという。「ERPを外部からアクセスできるようにすると、営業担当者分のアカウントが必要になり、膨大なコストがかかる。それを避けるために、『kintone』にデータを渡して、そこにアクセスするという使い方だ」(栗山SMB市場統括責任者)。三つ目は、基幹システムの拡張機能としての活用事例。雑貨店を展開するバルスは、プライベートブランドを展開するにあたって、既存の基幹システムで対応していない部分をExcelで補っていた。その部分を「kintone」に切り替えたところ、リアルタイムの処理が可能になるなどの効果が出ているという。

 最後のパネルディスカッションでは、サイボウズ執行役員の札辻秀樹システムコンサルティング本部長、「kintone」を中心としたシステム開発を手がけるジョイゾーの四宮靖隆代表取締役、同じく「kintone」を活用したシステム開発を手がけるアリーナシステムの宇野里システム開発部マネージャーがパネリストとして登壇し、谷畑編集委員がモデレータを務めた。

 四宮代表取締役は、「kintone」を「顧客満足度が高いので、手離れがいい」と絶賛。満足度が高い理由として、価格とユーザーインタフェースを挙げた。宇野マネージャーは、「チームを重視している企業。パートナーにも、チームとしてやりやすい環境を提供してくれる」と語った。それを受けた札辻執行役員は、「何かを成し遂げるときには、チームを機能させることが効果的。そこを重点的に充実させることで、パートナーの皆さんの満足度を上げていきたい」とした。また札辻執行役員は、「パートナーとの関係はいまだ構築中で、今後も力を入れていく」と会場に約束した。

 定員100名の会場は、補助席も埋まるほどの盛況。その熱気から、SIerのクラウドへの関心の高さと、kintoneに対する期待が伝わってきた。

左から、サイボウズ執行役員の札辻秀樹システムコンサルティング本部長、ジョイゾーの四宮靖隆代表取締役、アリーナシステムの宇野里システム開発部マネージャー