【北京発】バッファローブランドを展開する美禄可(北京)商貿(メルコ北京、稲葉里始総経理)が、中国の法人市場に本格参入した。稲葉総経理は「NAS市場でシェア30%の獲得」を目標に掲げる。

 メルコホールディングスは、2003年6月にマーケティングオフィスを上海に開設。10年には、北京に販売子会社としてメルコ北京を立ち上げ、量販店や電脳城などを通じて、一般消費者向けにストレージや無線LAN機器を販売していた。しかし、11年のタイ大洪水の直後にHDDを中心に部材の調達が難しくなったことや、その後のスマートデバイスの普及などの影響でPC周辺機器の価格競争力が失われたことで、13年に撤退を決断した。

 稲葉総経理は、今年1月に中国に赴任し、コンシューマ市場からの撤退と、法人市場への参入に向けて準備してきた。すでに「上海拠点は閉鎖し、北京の従業員数も約30人から5人にまで削減した」という。

 法人市場を開拓するための主力製品は、バッファローブランドのNAS「TeraStation」。ファイルストレージだけでなく、バックアップやDR(災害復旧)、リモートアクセスなどの用途で利用できる。

 稲葉総経理は、販売戦略について、「北京市と上海市、山東省の3地域で、NASの需要が期待できる特定業種に向けて拡販する」と語る。販売パートナーには、1社の大手ディストリビュータと協業。「特定の業種に強いリセラーやSIerの教育を共同で進めている」という。

 稲葉総経理によると、「中国の法人向けNASの販売台数は、月ベースで1000台ほどしかない」という。これまでメルコ(北京)では、このうちの約3%にあたる毎月30台のペースでNASを販売している。稲葉総経理は「中国の法人向けNAS市場は、まだ規模が小さく、伸びしろは非常に大きい。当社が市場を育てていくつもりでマーケットに挑む」と意欲をみせる。(上海支局 真鍋武)

稲葉里始総経理