富士軟件科技(山東)(富士ソフト中国、野澤仁太郎董事長)は、中国での現地ビジネスを拡大するために、日系企業向け組み込みソフト開発のビジネスに力を入れる。孫任宏総経理は、「今後3年をめどに、組み込みソフト開発を中核とした現地ビジネスの売上比率を全体の50%に引き上げる」と意欲をみせる。

 富士ソフト中国は、富士ソフトの100%出資の中国現地法人として、今年5月1日に設立。約100人の従業員を抱える。今年度(2014年12月期)の売上高は3億円を見込んでおり、このうちの約80%を対日オフショア開発、残りの20%ほどを現地ビジネスが占めるとみられる。

 オフショア開発ビジネスは安定した需要を見込むが、富士ソフト中国が成長エンジンに据えているのは、中国での現地ビジネスだ。多くの日系SIerは、日系企業に対しては、業務システム構築や保守サポートを中心に事業を展開しているが、富士ソフト中国は、日系製造業を中心とした組み込みソフト開発に力を入れる。野澤董事長は、「日本で開発した製品をそのまま中国で販売するのではなく、日本の技術者を中国に送り込んで、現地のニーズに沿った製品開発を行うケースが増えている。組み込みソフト開発を中国国内に発注する日系製造業は、今後確実に増える」とみる。

 自社プロダクトも販売していく。中国では、いまだに「Windows XP」が市場の約70%を占めていることから、現地向けにローカライズしたアップグレードツール「らくらくアップグレード for Windows」を提供。これによって、マイクロソフト中国(微軟)との連携を強化するとともに、認知度の向上を図る。

 孫任宏総経理は、「年平均で30%ずつ売り上げを伸ばして、3年後には単年度黒字を達成したい」と目標を語った。(上海支局 真鍋武)

孫任宏総経理(左)と野澤仁太郎董事長