【上海発】ウイングアーク1stの中国販売法人である文雅科信息技術(上海)(ウイングアーク上海、そうけ島純総経理)は、これまで手薄だった日系企業向けビジネスを強化する。すでに2014年度(14年12月期)に北京分公司を設立し、現地の日系企業に向けた提案を開始。大垣考広副総経理は、「14年度下期の売上高は、前年同期比で約2.5倍に拡大した」と、成果が出はじめている。

大垣考広副総経理

 2009年5月に設立したウイングアーク上海は、これまで中国のローカル企業を中心に、BIツール「Dr.Sum EA」と帳票作成・運用ツール「SVF」を販売してきた。約140社ある既存顧客の7割程度はローカル企業だが、ローカル企業向けのビジネスは直販が基本で、営業コストがかかる割には単価が小さいという課題があった。そこで、案件単価が比較的大きく、間接販売を基本としている日系企業向けビジネスを強化することで、売り上げ・利益を向上する。

 大垣副総経理は、「中国の日系企業は、システムの整備が進み、リプレース案件も活発化するなど、データを蓄積している。人件費の高騰など、コスト負担が増大し、業務効率の向上が欠かせない状況にある。効率向上につながるデータ分析のニーズが高まっている」と説明する。

 日系企業向けビジネスを拡大するための起爆剤として、「Dr.Sum EA」向けにデータを抽出・加工・ロードする専用ETL(抽出・変換・ロード)ツール「Dr.Sum EA Connect」を提供する。BIツールとデータ統合ツールをワンストップで提供することで、案件単価の向上を図る。

 さらに、販売パートナー向けの支援策も充実させる。ウイングアーク1stのオフショア拠点である文雅科信息技術(大連)の人材を活用し、中国の販売パートナー向けに、サポートデスクや「SVF」の帳票開発の支援などのサービスを提供する。また、これまで約30社ある販売パートナーとは個別に代理店契約を結んでいたが、4月をめどに正式なパートナー制度を開始する。

 大垣副総経理は、「日系企業向けのビジネスを強化するが、ローカル企業向けビジネスをおろそかにするわけではない。むしろその逆だ。ローカル企業は、提案時に中国での成功事例を要求してくるケースが多い。日系企業向けの成功事例を拡充することで、ローカル企業への信頼度・認知度の向上を狙っている」と説明した。(上海支局 真鍋武)