【北京発】コアの中国現地法人、北京核心軟件(北京コア、馬聡総経理)のローカルビジネスが進展している。2014年度(14年12月期)の売上比率では、対日オフショア開発などの円建てビジネスが3割に縮小し、元建ての中国国内ビジネスは7割にまで拡大した。元建てビジネスでは、顧客の大半を中国資本のローカル企業が占めている。

 北京コアは1984年に設立し、現在の従業員数は約60人。近年、元建ての中国国内向けビジネスとして、中国資本のユーザー・IT企業へのIT人材派遣や受託ソフト開発に力を注いできた。馬総経理は、「中国国内では、IT人材の需要が供給を上回っており、案件単価は上がっている。例えば、IT人材派遣の人月単価は1万3000~2万5000元(約24万7000~47万5000円)。これに対して当社の対日オフショア開発の人月単価は25~40万円だ」と説明する。

 しかし、簡単に中国ローカル企業から案件を獲得できるわけではない。まず顧客との接点だ。北京コアの場合、中国に進出したのが1984年と、日系IT企業では早い時期に進出したことが有利に働いている。吉田茂之総経理助理は、「案件の入り口は、コネクションがある中国人からの紹介というケースが多い。かつて当社に勤めたことがあって、現在は中国ローカル企業でそれなりの役職に就いている人が相当数いる」と説明する。

 それでも、受託ソフト開発の案件では、中国のソフト開発会社と競合することになる。吉田総経理助理は、「価格で勝つのは難しい。極端な例をいえば、中国のソフト開発会社は当社の半額程度を提示することもある」という。日系の北京コアの優位性は、技術力にすぐれた人材が豊富で、高い品質をもつシステムを開発できることだ。実際、一度は中国のソフト開発会社を採用したものの、品質に満足できなかった企業からの受注が多いという。

 案件を受注した後でも、苦労は絶えない。対日オフショア開発はウォータフォール型で仕様が固まっているが、中国の受託ソフト開発案件では仕様変更が頻繁に起こる。また、売掛金の回収リスクも大きい。よけいな工数がかかったり、回収がうまくいかなかったりすれば、受注金額は大きくても利益は減ってしまう。吉田総経理助理は、「中国の受託ソフト開発のやり方に慣れるまでに、約4年かかった」と振り返る。

 北京コアは、今後、IT人材派遣や受託ソフト開発を拡大するとともに、IT資産統合管理ソリューション「ITAM」など、製品販売にも力を注いでいく。吉田総経理助理は、「ローカル企業向けの製品販売では、協業パートナーの獲得が欠かせない。製品を現地SIerにOEMで提供して、彼らのブランド名で販売してもらうなどの施策を進めていきたい」と構想を語った。(上海支局 真鍋武)