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BCN、中部圏のSIerとリセラーを対象にセミナーを開催

2015/07/21 19:03

 BCNは7月21日、「パートナービジネスを積極展開するITベンダープレゼンテーション」と題し、SIerとリセラー向けのセミナーを名古屋で開催した。基調講演のほか、注目のベンダーが商材とパートナー戦略を紹介した。

 基調講演は、船井総合研究所の長島淳治・経営支援本部 チームリーダー チーフ経営コンサルタントが登壇。「脱下請け!脱SES!クラウド時代の新たなビジネスモデルとは」をテーマに講演した。

基調講演で登壇した船井総合研究所の長島淳治・経営支援本部 チームリーダー チーフ経営コンサルタント

 クラウドがSI業界に与える影響について、長島氏は「システム開発は“所有の市場”。システムのカットオーバーがピークであり、導入後の効果までは考えていない。クラウドは“もたなくていい”ところに価値がある。そこでは利用して効果を得ることが焦点となる」と紹介した。ユーザー企業のクラウド活用の傾向には、「半年のカベ」「2年のカベ」があり、半年で効果がないと実感すると、2年以内に解約する傾向があるという。「クラウドにより、ITは流動性の高い市場になった」と長島氏。そうならないためにも、クラウドの導入には効果に注力する必要があるというわけだ。

 また、クラウド時代のITビジネスについて、「ライセンス料によるストック型にするという考え方があるが、よくある間違い」と指摘。ライセンスではなく、サポートで売り上げをつくるという意味である。「ユーザーがクラウドを有効活用するために、ユーザーに寄り添ったサポートができるかどうか」がポイントになると強調した。

 最後に長島氏は「クラウドは地域で絶対に必要。ただ、サポートするベンダーが少ない。そこはまだ未開の地。可能性がある」と語り、講演を締めくくった。

 セミナーでは、注目製品やサービスを手がけるベンダーのセッションを六つ用意。セッション1では、「ITコスト投資の最適化を実現! 高性能で使いやすいさくらインターネットのデータセンターサービス」と題して、さくらインターネット 営業部 営業1課 主任の柴田英樹氏が、高性能で拡張性が高いIaaS型クラウドサービス「さくらのクラウド」や、物理占有型(ベアメタル)サーバーサービス「さくらの専用サーバ」などについて解説。また、さくらインターネットのパートナープログラム制度「さくらのビジネスパートナー」を紹介した。

 セッション2では、「実績No.1オンラインストレージGigaCC ~多くの企業に選ばれるその理由とは~」と題し、日本ワムネット 営業部の菅野章氏が、ベンダー別売上金額およびシェアNo.1オンラインストレージソリューション「GigaCC」を紹介。オンラインストレージが、今注目されている理由とともに、GigaCCを取り扱うことのメリットについて説明した。

 セッション3では、「マルチクラウド時代のバックアップ ~Acronisが提供する次世代バックアップソリューション~」と題し、アクロニス・ジャパン セールスエンジニア部 セールスエンジニア マネージャの佐藤匡史氏が、マルチクラウド時代に突入しており、そこではバックアップが課題になると解説。アクロニス・ジャパンのバックアップソリューションは、マルチクラウド環境に最適化されたデータ/システム保護とディザスタリカバリであることを解説した。

 セッション4では、「いま注目を集める中小企業のためのクラウド型レンタルサーバ『Zenlogic』とビジネスパートナー制度の活用事例」と題し、ファーストサーバ 営業部 部長の小島健司氏が、レンタルサーバーサービスZenlogicとビジネスパートナー制度を紹介した。Yahoo! Japanのクラウドシステム基盤上にレンタルサーバーのシステムを構築した新しい形のサービスとなっている。

 セッション5では、「低価格なプライベートクラウドサービス、決め手は5つの『適応力』」と題し、カゴヤ・ジャパン セールスグループ セールスチームの安井唯氏が、カゴヤ・ジャパンが提供する専用サーバー「FLEX」を紹介。仮想化クラウドよりも自由にクラウド環境を活用できるとし、その理由を事例を交えて解説した。

 セッション6では、「変革期を迎えたサーバールーム事情(ビジネスチャンスと協業の可能性)」と題し、シュナイダーエレクトリック 戦略・事業開発本部 マネージャーの飯島康弘氏が、クラウドに移行できないサーバーをどう管理するかについて、エネルギーマネジメントの視点で解説。シュナイダーエレクトリックが提供するサーバールームの省スペースと電力コスト削減のニーズを同時にかなえる解決策を紹介した。

 最後に主催者講演として、『週刊BCN』の編集長、畔上文昭が「SIerは死なず!日本のSIerが強いこれだけの理由」と題し、日本のSIerの強み、これから進むべき道について解説した。BCNでは「SIer、リセラー必聴セミナー」シリーズを全国主要都市で今後も展開することを予定している。
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外部リンク

さくらインターネット=http://www.sakura.ad.jp/

カゴヤ・ジャパン=http://www.kagoya.com/

アクロニス・ジャパン=http://www.acronis.com/ja-jp/

ファーストサーバ=http://www.fsv.jp/

日本ワムネット=http://www.wamnet.jp/