日立システムズ(高橋直也社長)とカナダのグローバルITセキュリティサービスプロバイダであるAbove Security(アバブセキュリティ社、レイ・ジョージズ・チェハタ社長兼CEO)は、8月25日、日立システムズがアバブセキュリティ社を買収、完全子会社化することを決定したと発表した。今後、10月中の買収完了に向けた手続きを進める。

 日立グループは、社会や企業が抱える課題、ニーズをプロダクト、サービス、ITを組み合わせて解決する社会イノベーション事業をグローバルに推進している。社会でのITシステムやWebサービス、データの重要性が増す一方で、それらに対する悪意のある攻撃による情報の搾取やシステムダウンなどの被害が頻発しており、セキュリティサービスのニーズが高まっている。さらに、電力・ガス・水道などの社会インフラ分野や、あらゆるものがネットワークにつながる IoT(Internet of Things)分野でのセキュリティ対策の重要性も高まりつつある。こうしたなか、日立グループでの情報・通信システム事業の中核企業である日立システムズは、注力事業であるセキュリティ事業の強化とグローバル展開に向けた検討を進めてきた。

 一方、アバブセキュリティ社は、カナダとメキシコ、スイスにSOCをもつ世界でも有数のグローバルITセキュリティサービスプロバイダの1社。世界で40か国以上の顧客に向けて、自社開発の高機能な統合SOC運用ソフトウェアを活用したマネージドセキュリティサービスや、各国・各業種に特有のセキュリティ標準や規則などに対応したセキュリティコンサルティングサービスを提供している。近年、さらなる事業拡大に向けて、日本やアジアでの事業基盤確保と欧州事業の拡大、マネージドセキュリティサービス事業、セキュリティコンサルティング事業の強化を検討していた。

 こうした背景のもと、今回、日立システムズは、アバブセキュリティ社を買収し、完全子会社化することを決定した。両社の製品・サービスや技術・ノウハウ、経営リソースを融合することで、マネージドセキュリティサービスとセキュリティコンサルティングを中心とする、より高度で多彩なITサービスをグローバルに提供できるようになる。とくに、これまでアバブセキュリティ社の顧客基盤がなかったアジアや南欧で、今後、日立システムズが有するインドや東南アジア、イタリアのグループ会社を通じて、両社の技術を生かしたセキュリティサービスを順次提供し、さらなる事業拡大を図っていく。

 日立システムズグループは、中期経営計画で掲げる15年度売上高5000億円、海外売上高比率10%の目標達成に向け、各種施策を展開している。今回の買収によりグローバル事業の強化・拡大を図り、この目標達成を目指す。