日立製作所(日立、東原敏昭社長兼CEO)は5月30日、日立システムズ(北野昌宏社長)と連携し、NEDOが管理法人を務める内閣府事業「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)/重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保」で、重要インフラ事業者が他の企業や組織との間でサイバーセキュリティに関する脅威情報や対策方法を共有するための情報共有基盤を開発したと発表した。この成果を活用し日立システムズは、複数の企業・組織間でサイバー攻撃に関する情報を効率的に共有し迅速なサイバーセキュリティ対策を実施できる「SHIELD情報共有サービス」の提供を5月30日に開始した。

 今回開発した情報共有基盤は、外部の情報機関からの提供や他の企業・組織が共有したサイバーセキュリティ情報を蓄積し、利用者が必要な時に必要な情報を検索・周知するための基盤。国際標準規格であるSTIX・TAXIIを採用しているため、国内外の脅威情報と対策方法について、STIX・TAXIIを採用する他の情報機関から受信し、注意喚起として一斉自動配信する機能を備えている。

 また、基盤開発に加え、各組織に対して情報共有の仕組みを普及・定着させるため、外部の情報発信機関、業界ISAC、企業のCSIRTといった立場ごとに脅威情報取得時の対応や役割などを明確化したグランドデザインを策定するとともに、今回開発した情報共有基盤を実際の運用環境で検証・評価し、その結果や専門家の知見を反映した運用ガイドラインを作成した。

 この研究開発の成果を活用し日立システムズは、同社のサイバーセキュリティソリューション「SHIELD」のラインアップの一つに、SHIELD情報共有サービスを追加した。同サービスでは、国内外の公的情報発信機関や、民間の情報発信機関から配信される情報を、STIX・TAXIIで収集・蓄積し、情報の重要度を自動でランク付けをする。また、関連情報を直感的にわかるように仕分けし、グルーピングを施して提供する。

 SHIELD情報共有サービスを利用することにより、脅威情報や対策方法の共有を図る企業・組織は、蓄積された情報の中から過去の類似事例の検索・閲覧や、SNSのような仕組みを利用して利用者間で脅威の傾向や攻撃兆候の議論、組織内での作業指示などのディスカッションを行うことができる。さらに、脅威情報に関する他システムとの連携や、セキュリティ機器の設定ファイル形式への変換が可能なため、脅威情報に基づいたセキュリティ対策の実行を迅速化できる。