【上海発】中国の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)がカナダで逮捕された事件で、米国が、保釈中の孟CFOの引き渡しを要請する方針をカナダに伝えたと、カナダ紙グローブ・アンド・メールが1月21日に報じた。中国政府は反発しており、引き渡しが実現すれば、米中の溝が一層深まる可能性がある。(上海支局 齋藤秀平)

 ロイター通信によると、米商務省は1月22日、カナダに対して、孟CFOの引き渡しを正式に求めると発表した。引き渡し要求の期限は最初の逮捕から60日以内で、今回の場合は1月30日になるという。
孟晩舟CFO(ファーウェイのウェブサイトより)

 米国の方針に対し、中国外交部の華春瑩報道官は22日、「孟CFOをただちに解放し、合法的および合法的な権利と利益を効果的に保護するよう強く要請する」とし、米国には「カナダに公式な引き渡し要求をしないよう強く要請する」と求めた。

 一方、ファーウェイは声明で「事件の進展を注意深く見守る」とした上で、これまでと同様に「国際連合、米国ならびに欧州連合の関連輸出規制・制裁を含め、当社が事業を行う国と地域の全ての法規制を順守している」との見解を示した。
 

「最も困難な1年に」

 孟CFOの事件が注目される中、孟CFOの父で、ファーウェイ創業者の任正非氏が1月15日~17日、国内外のメディアのインタビューに応じた。任氏がメディアの前に現れるのは珍しいといい、創業者として自ら意見を述べることで、ファーウェイに対する国際的な疑念を払しょくする狙いがあったとみられる。
任正非氏(ファーウェイのウェブサイトより)

 任氏は、中国国営テレビとの一対一のインタビューで「これまでセキュリティー上の大きな問題は発生していない」と強調。さらに「(ファーウェイの製品を)買わないことは愚かで、買わなければ競争に負けてしまう」とし、米国が中心となって市場からファーウェイを排除しようとしている動きをけん制した。

 任氏は、娘の逮捕などがあった2018年を「困難な1年だった」と総括した。インタビューでは、莫大な研究開発費を投じて磨いてきた技術力の高さをもとに、各国との関係で強気の姿勢をみせる場面もあったが、19年は「最も困難な1年になる」と述べ、強まる逆風に一定の警戒感も示した。