QunaSys(楊天任代表取締役)とJSR(小柴満信代表取締役)は3月1日、共同研究に関して契約し、量子コンピューターを活用する量子化学計算アルゴリズムの開発に着手したと発表した。

 共同研究は、量子ゲート方式の量子コンピューターを用い、量子化学計算・材料開発に取り組むためのノウハウの構築が目的。QunaSysが持つ量子コンピューターと量子アルゴリズムに関する知識と実装力、JSRが持つ量子化学・材料開発のノウハウを融合し、量子コンピューターの活用例を目指してアルゴリズムを開発する。

 量子コンピューターは開発競争の最中にあり、まだ発展途上だが、実用的なサイズと精度のNISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum)デバイス量子コンピューターが数年以内に実現することを見越して研究を進める。NISQデバイスとは、誤り訂正機能がないことと、サイズが中程度(数百量子ビット程度)の量子コンピューターを指す。

 開発に当たっては、QunaSysが管理する高速な量子コンピューターのシミュレーターであるオープンソースソフトウェア「Qulacs」のほか、すでにクラウドで公開されている小規模な量子コンピューターの実機を使用する。

 ここ数年で実現されると考えられているのは、NISQデバイス量子コンピューターで、現在の古典コンピューターよりも高速であること(量子加速)が厳密には証明されていないものの、量子化学計算や機械学習など、いくつかの分野での応用が期待されている。特に、量子化学分野では、NISQデバイスを高速な量子力学のシミュレーターとして用い、大規模で高精度な量子化学計算を行う研究開発が盛んで、効率的なアルゴリズムやアプリケーションが日々提案されている。また、そのような大規模な量子化学計算を新規材料開発に活用しようとする取り組みも始まっている。