中国のIT大手騰訊控股(テンセント)が、事業基盤の拡大を進めている。主力とするゲーム事業が当局の規制にさらされる中、強化しているのは企業が顧客となるクラウド事業だ。2019年はクラウド事業を軸とした企業向けビジネスに力を入れる方針で、「企業がデジタル時代に対応するためのアップグレードと革新を支援する」としている。

 テンセントが3月21日に発表した18年1月~12月の決算資料によると、18年のクラウド事業の売上高は、前年比2倍の91億元(約1490億円)と大きく成長した。19年はクラウドコンピューティングやデータ分析、人工知能(AI)、セキュリティーのソリューションを統合し、小売りや金融、交通運輸、医療保健、教育などの各産業向けにカスタマイズしたソリューションの提供を目指す。

 テンセントは18年9月、各産業向けの事業を集約し、企業向けビジネスの体制を強化する組織再編を行った。日系企業との関係では、日立製作所と日立(中国)の両社と、IoT分野で協力する契約を取り交わした。

 テンセントのゲーム事業をめぐっては、未成年のゲーム依存を問題視した中国当局が規制を強化し、一時、新作ゲームの発売が認可されない状態になった。影響は収益を直撃し、18年第4四半期(10月~12月)の最終利益は前年同期比32%減の142億2900万元に落ち込んだ。