【北京発】中国の検索大手・百度(バイドゥ)の「人工知能(AI)開発者大会」が7月3日、北京市の国家会議センターで始まった。初日の基調講演で同社の李彦宏(ロビン・リー)CEOは、「アポロ計画」と銘打って進めている自動運転について、特定の場所を完全無人で走るレベル4に注力する方針を示した。4日まで。(上海支局 齋藤秀平)

会場となった国家会議センター

 李CEOは「中国には約2億7000万台の車両があり、約6000万台分の駐車場が足りていないというデータがある」と紹介する一方で、「駐車場の稼働状況をみると、全体の44%と利用率は低く、ドライバーは運転時間の30%を駐車場を探すことに充てている」と現状の非効率性を指摘した。
バイドゥの李彦宏CEO

 そのうえで、アプリで呼び出した車が、人や障害物を避けながら駐車場から所有者のところまで自動運転で走ったり、自動運転で駐車場に戻ったりする様子を映像で紹介し、「運転手を必要とするレベル3の自動運転よりも、運転手を必要としないレベル4のほうが市場に受け入れられやすい。自動運転の車が駐車場を探している間、人は他のことができるし、車から離れても問題ない。レベル4の自動運転は、ラストワンマイルの問題を解決する」と呼びかけた。
新たにアポロ計画に加わったトヨタ自動車

 アポロ計画は、2017年7月にスタートした。自動運転のプラットフォームをオープン化し、世界的な枠組みで自動運転を実用化することを目指している。バイドゥによると、現在、国内外の自動車大手など156社が参加し、日本からはホンダやパイオニアが加わっている。今回の大会では、日本の自動車最大手のトヨタ自動車が新たに加わり、百度と多目的EV自動運転バス「イーパレット」の開発で協力することが披露された。
レベル4クラスの自動運転車

 バイドゥは、これまでに300台の車を使い、レベル4クラスの自動運転で累計200万キロの走行実験を実施したという。大会では、中国初となるレベル4クラスの乗用車を中国第一汽車集団と協力して生産し、湖南省長沙市に無人運転タクシーとして投入すると発表。ほかにも、新エネルギー車を手掛ける中国の威馬汽車がバイドゥと手を組み、自動的に駐車場に止まったり、充電したりするソリューション「Valet Parking」を搭載した新型車の量産計画を公表した。

 わずか2年で自動運転の技術を大きく進めてきたバイドゥは、自動運転業界のプラットフォーマーとして着実に勢力を拡大している。第5世代移動通信システムの「商用元年」とされる中国では今後、自動運転の発展が大きく期待されており、バイドゥの存在感はますます大きくなっていく可能性がある。