週刊BCNは8月23日、ITメーカーとIT販社をつなぐイベント「BCN Conference 2019 夏」をホテル雅叙園東京で開催した。基調講演や各社の展示コーナーのほか、関心の高いセキュリティ・BCP(事業継続計画)対策、クラウド・デジタルトランスフォーメーション(DX)、働き方改革をテーマにしたセッションを行った。


 セキュリティ・BCP対策のセッションでは、ウェブルートの東田巌秀・マーケティング部シニアマーケティングマネージャ、デジタルアーツの萩野谷耕太郎・マーケティング部m-FILTER課長、ヴィームソフトウェアの斉藤乾・システムズエンジニア本部シニア・システムズ・エンジニア、日本ネットワークセキュリティ協会 セキュリティ市場調査ワーキンググループの礒部良輔氏(興安計装 ICT技術サービス部門 Owlook営業部長)が登壇した。

 ウェブルートの東田マネージャのセッションは、「軽さ、速さ、ランサムウェア対応、フィッシング対応、既知・未知両対応、マルチベクター、一つでも当てはまればウェブルート」がテーマ。セキュリティ対策ツールとして、同社の主力製品「SecureAnywhere」の特徴を紹介した。

 SecureAnywhereは10年以上、AIによって膨大な脅威情報を収集している。そのデータを分析することで、URL、IP、ファイル、モバイル脅威ベクトルにわたる多様な脅威インテリジェンスサービスを提供することができる。
ウェブルートの東田マネージャ

 SecureAnywhereのもう一つの強みがリカバリー機能だ。東田マネージャは「万が一、怪しいファイルが多層防御をすり抜けたとしても、行動をずっと追尾し、脅威を判定した場合はそのファイルが行った行動を元に戻す機能を備えている」と説明した。

 さらに、「今、セキュリティ市場ではPCなどのエンドポイントが主戦場になっている。PCはリプレース案件が増加している。軽く、速く、ランサムウェア対策、フィッシング対策をしたいと考えている全ての企業に、PCとSecureAnywhereをセットで提案してほしい」とアピールした。

 デジタルアーツの萩野谷課長は、「現在のセキュリティ対策 ~それってやり過ぎでは?~ デジタルアーツによるWeb、メール、ファイルのセキュリティをご紹介」をテーマに、セキュリティ対策についてセッションを行った。

 萩野谷課長は、「多くのセキュリティ対策が、侵入されてからいかに迅速に、どのように対処するのか、侵入されることを前提としたセキュリティ対策になっている。しかも、どれだけ多層防御を施しても、その防御は完全ではない。その対策は『やりすぎ』ではないだろうか。まずは侵入されないセキュリティ対策を実施することが重要なのでは」と強調した。
デジタルアーツの萩野谷課長

 同社が提供する標的型メール対策「m-FILTER」、標的型攻撃対策「i-FILTER」は、ホワイトリストデータベース(DB)を持ち、ホワイトリストに載っている安全なメール、ウェブのみを通すことで「無菌室」を作り、業務環境の安全を守るセキュリティ対策ツール。ホワイトリストDBは、デジタルアーツが提供しており、顧客がDBのメンテナンスをする必要がない。

 ファイルの安全性は、ファイル暗号化ソウト「FinalCode」で守ることができる。重要ファイルを暗号化でき、また利用状況の追跡、遠隔削除もできる。ファイルの用途や機密性を合わせて閲覧、編集、印刷の可否など細やかなセキュリティポリシーをファイルごとに設定できるという。

 ヴィームソフトウェアの斉藤シニア・システムズ・エンジニアは、「BCP対策をより現実的に!ビジネス機会損失を最小化するVeeamのBCPソリューション」をテーマに、同社のBCPソリューションを紹介した。

 同社が公表した最新のクラウド・データ・マネジメントレポートによると、ダウンタイムにより発生した機会損失の金額は、グローバルの標準的な企業で年間2000万ドルに上ることが明らかになった。それに対して日本企業は、グローバルの4.3倍の8580万ドルを損失していることが分かった。
ヴィームソフトウェアの斉藤シニア・システムズ・エンジニア

 斉藤シニア・システムズ・エンジニアは、「調査対象としている国の中で、日本が最も損失額が大きかった」という。こうした国内の状況をヴィームソフトウェアのBCPソリューションが打開できると強調した。ヴィームソフトウェアのBCPソリューションは「確実で迅速に安全にリカバリーができる。ダウンタイム時間を短縮できるので、データが失われる機会も減らすことができる。また、パートナー様、お客様からは高信頼性、柔軟性の点で高い支持をいただいている」とアピールした。

 日本ネットワークセキュリティ協会の礒部氏は、「セキュリティ市場の未来を読む! 『2018年度国内情報セキュリティ市場調査報告』から見える市場動向とは?」と題して、今年6月に発表した2018年度 国内情報セキュリティ市場調査の概要を紹介した。
日本ネットワークセキュリティ協会の礒部氏

 礒部氏は「今回の分析対象企業数は691社で、セキュリティ産業の推定実績は1兆868億円となり、協会が調査を開始して以来、初めて1兆円を超えた」と話す。この成長の要因としてサービス事業者の増加、さらに専門的かつ高度なサービスを提供している事業者が増えている点を挙げた。

 「調査では大きく分けてサービスとツールを合わせて集計している。2010年をピークにサービス寄りになっている。ツールの進化とサービスの充実が融合することで、市場規模が押し上げられている」という。