NECは、自然科学研究機構 核融合科学研究所から、次期スーパーコンピューターシステムとしてNECベクトル型スーパーコンピューター「SX-Aurora TSUBASA」を受注した。システムの運用開始は2020年6月の予定。

「SX-Aurora TSUBASA」

 核融合科学研究所は、国内外の大学や研究機関と協力し、海水中に含まれるリチウムと重水素を燃料とする核融合発電の実現に向けた学術研究を進めている。

 同研究所では、これまで大型ヘリカル装置(LHD)を中核とした実験研究と核融合プラズマをはじめとする多階層・複合物理系に対し、スーパーコンピューターを用いた理論・シミュレーション研究などを行って核融合科学に関する総合研究を行ってきた。

 核融合プラズマ中には、電磁場を介して相互に作用する膨大な数の電子やイオンが複雑な軌道を描いて飛び交っており、さまざまな異なる時空間スケールをもつ複雑な現象が混在する。これらの複雑なプラズマ現象の物理機構を解明し、その振る舞いを予測するためにはスーパーコンピューターによるシミュレーションが必要となる。

 新しいスーパーコンピューターシステムは、核融合科学研究所の現行のシステムに比べて4倍以上の演算性能を有し、これまで困難であった、より大規模で複雑な物理過程のシミュレーションを、より短時間で行うことができる。

 核融合科学研究所に納品するSX-Aurora TSUBASAは、2U-8VEサーバー540台(合計で4320VE)を搭載しており、NECとして最大規模のシステム。システム全体として総合理論性能10.5PFLOPS(ペタフロップス)の性能を実現する。

 主記憶の転送速度はシステム全体で現行システム比4.6倍の5.8PB/s(ペタバイト/秒)を実現し、同研究所で利用される高速なデータ処理を必要とするプログラムに対しても十分な速度を持つ。また、大規模シミュレーションにより生成される膨大な数値データの保存には並列分散ファイルシステムで構築された30PB(ペタバイト)の大容量で高速なストレージを採用している。

 NECは、今後もベクトル技術を生かし、従来のスーパーコンピューター領域に加え、産業応用領域やAI/ビッグデータ解析をターゲットした次世代高性能サーバーも開発していく。