NTTドコモは1月22日、グローバル化が進む日本のビジネスパーソンの生産性向上のため、英語音声を自動で文字起こしする音声認識AIサービス「Otter」を提供するAISense(Otter.ai)と、日本での事業展開に向けて協業を開始したと発表した。

Otterで声から書き起こした英文を日本語に翻訳するイメージ

 今後、両社は日本国内でのOtterの普及に向けたビジネスモデルの検討などに取り組むとともに、「はなして翻訳」で培った会話系翻訳のノウハウをもつNTTドコモ、TOEIC960点相当の機械翻訳サービスであるMirai Translatorを提供するみらい翻訳(栄藤稔代表取締役)、Otter.aiの3社で連携し、新たなサービスの開発を進める。また、NTTドコモの100%子会社であるNTTドコモ・ベンチャーズ(稲川尚之社長)を通じて12月12日、Otter.aiに出資を行った。

 Otterは、世界中で100万人以上が利用している、スマートフォンで録音した英語音声をリアルタイムにテキスト化するサービス。講演や会議など長時間にわたる英語音声や複数人の音声識別に対応しているほか、AIにより精度の高い文字起こしができるため、英語でのレポートや議事録の作成時間が大幅に削減できる。また、テキスト化された内容のキーワード検索や、テキストをタップするだけで聞き直しができるなど、録音した内容の振り返りがしやすいため、生産性向上にもつながる。

 働き方改革による業務効率化を求められるなか、グローバル企業では多くの時間を要する翻訳業務を効率的に行いたいという需要が高まっている。これまでNTTドコモとみらい翻訳は、AIによる機械学習によって英文を高精度に翻訳するサービスを提供するみらい翻訳を通じて、「言語バリアフリー」の実現を目指してきた。今回の協業を通じ、NTTドコモは、Otterの普及に向けて日本市場での需要や有用性などについて調査を開始し、20年度からは国内企業への導入支援に取り組む予定。また、みらい翻訳のサービスとOtter.aiのサービスを組み合わせた、セキュアな環境での高度な翻訳を行うサービスの実現に向けて検討を開始する。

 Otterの普及に向けてNTTドコモが実施する日本市場の調査の一環として、1月8日から、グローバル人材育成・語学教育のベルリッツ・ジャパン(ベルリッツ)が全国に展開するベルリッツ・ランゲージセンターで、受講生へのOtterの利用案内を開始した。レッスンをOtterで録音することにより、授業内での会話が文字として記録され、そのテキストから音声を確認したい部分をタップすると録音された音声も再生できることから、学習を振り返ることでの効果などを検証する。今後、NTTドコモ、Otter.ai、ベルリッツの3社は、語学教育での企画や検証をさらに進めていく予定。

 なお、1月23日から24日まで、NTTドコモが開催する「DOCOMO Open House 2020」では、英語でのプレゼンテーションをOtterで書き起こした英文を、みらい翻訳とNTTドコモが共同で開発した機械翻訳エンジンでリアルタイムに日本語に翻訳し、双方をスクリーンに表示するデモを実施する。

 3社は今後も優れたサービスを提供する海外企業の日本進出を支援するとともに、各社のサービスや技術と連携し、ともに新しい市場やサービスを開拓していく方針。