キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は4月2日、金融機関向けの「目論見書オンデマンド印刷システム」を、野村総合研究所(NRI)とみずほ銀行の両社と共同で構築したと発表した。投資信託の契約手続きのリスク管理と生産性向上を両立させることが期待できるという。

左から金庭由季氏、岡田直道主任、徳成啓一チーフ

 みずほ銀行ではこれまで、紙ベースの目論見書を各店舗で管理していた。キヤノンMJエンタープライズビジネスユニットMA事業部金融営業本部第一営業部営業第二課の岡田直道主任は「いったん店舗から持ち出した目論見書が戻される場合もあった」と説明。新旧の確認だけでなく、混在もチェックしなければならず、同課の金庭由季氏は「1人で管理している店舗では、管理作業に2日かかってしまうこともあった」と話す。

 課題はほかにもある。店舗の在庫が切れるなどした場合は、みずほ銀行の倉庫から配送してもらう必要があり、保管や配送のコストが発生。店舗に届くまでに時間がかかることも業務の進行を妨げる要因の一つになっていた。

 システムは、2月にみずほ銀行に導入された。NRIの投信文書プラットフォーム「FundWeb Library」を使用しており、FundWeb Libraryにアップロードされたデータがみずほ銀行のファイルサーバーに配信され、店舗内のキヤノン複合機から目論見書や付帯資料を出力できる仕組みだ。

 専用のサーバーは不要。最新版だけしか印刷できないほか、ホチキス留めなどの印刷体裁が強制的に設定されるため、配布ミスのリスクがなくなる。店舗での在庫管理の手間や倉庫関連のコストも削減できる。

 複合機の操作パネルから印刷が実行できるため、PCがなくても使用できる。PCからの印刷予約などで、複合機の占有時間を短縮できる。

 キヤノンMJは、パートナーとともに、2023年までに全国の20行程度への導入を目標に掲げている。同社エンタープライズビジネスユニットMA事業部金融営業本部金融ソリューション促進部ソリューション促進第一課の徳成啓一チーフは「システムを波及させ、業界全体の課題の解決に貢献していきたい」とし、「他社と協業し、ほかの業界への展開の可能性も探っていく」と語る。(齋藤秀平)