Nutanix向けデータ保護ソフトウェアを提供する米HYCU(ハイク)は、日本市場におけるビジネス展開の本格化に向けた取り組みを進めている。今年6月にはバックアップ業界で経験豊富な吉田幸春氏がシステムズ・エンジニアとして入社。既存顧客やパートナーの支援に力を入れながら人員拡大など組織体制の強化を図り、来年以降、国内ビジネスをより一層推進していく。

吉田幸春 システムズ・エンジニア

 HYCUは、データ保護・監視製品の開発を手掛けるコムトレード・ソフトウェア(Comtrade Software)から分社化する形で2018年に設立されたバックアップベンダー。分社化前の17年6月からNutanix向けのデータ保護ソリューション「HYCU」の提供を開始し、現在までにグローバルで約1400社が導入。会社実績としては「対昨年で300%」(吉田氏)の成長率で伸びているという。

 HYCUは「簡単」「シンプル」を特徴とする。吉田氏によると、「(Nutanixの管理ツールである)『Prism』を使っている人ならすぐにわかる操作性」になっているという。「Nutanix環境の補完」を基本姿勢としており、Nutanixのスナップショット機能と連携した高速バックアップをはじめ、Nutanixの機能を活用しつつ、Nutanixでカバーされていない機能をHYCUで補う。製品はCentOSをベースに必要機能がパッケージ化された仮想アプライアンスの形で提供され、導入にあたっては「3分ほどで展開できる」という。

 「Nutanixの展開するポートフォリオに追随していくのがHYCUの目指す方向性」だと吉田氏は説明。HYCUとニュータニックスの開発者は日々チャットで情報を交換し、製品開発やテストで協力するなど「かなり密なやり取りができている」とアピールする。今年3月にはセカンダリストレージ「Nutanix Mine」に対しバックアップ機能を補完するソリューション「Nutanix Mine with HYCU」の提供も開始している。

 また、マルチクラウド対応として、HYCUは「Microsoft Azure」「Google Cloud」向けのデータ保護も提供。オンプレミスとクラウドをまたぐ移行を可能にしている。

 HYCUは現在、国内ではニュータニックス・ジャパンおよび、昨年9月にディストリビューター契約を結んだダイワボウ情報システム(DIS)を通じて製品展開を行っている。当面は既存顧客やパートナーの支援に注力するとともに、人員を拡充を図りながら、来年以降には国内ビジネスの拡大に動く考え。

 吉田氏はアクロニスやヴィーム・ソフトウェアの日本法人立ち上げに携わるなど、バックアップ業界で豊富な経験を持つ。同氏からみてHYCUは、「SMB市場をカバーできる」「Webブラウザーのため日本語化しやすい」ことなどから日本市場で「伸びるポテンシャルがある」と評する。「3年以内にNutanix環境のデータ保護で国内トップベンダーになることが目標」と意気込む。(前田幸慧)