日本IBMは顧客向けのオンラインイベント「Think Summit Japan」を9月3日・4日の2日間開催した。同社の山口明夫社長は、日本企業が競争力を高めるためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)がカギになるとの見方を示した。

山口明夫 社長

 山口社長は「これまでITの変革を支えてきたエンジニアの退任や人材不足、テクノロジーの目覚ましい進化、世界中の新興企業の台頭などで、このままでは競争力を失うという問題意識が企業の間で出ている」と指摘。

 その上で、新型コロナウイルスの感染拡大にも触れ「DXの重要性が増し、DXの実現を加速させることが必要になってきている」と述べた。

 国内のDXの状況については、スタートアップ企業の少なさや世界をまたにかけたプラットフォーマーが成長していないことなどを挙げ「日本は遅れているといわれている」と語った。一方、顧客のなかには、従来のシステムやデータを有効に活用し、より戦略的な企業に変革している企業もあると紹介し、DXによって「日本の競争力は明らかに高くなる」と強調した。

 その後、山口社長は「『ニューノーマル』時代を切り拓くビジネス」をテーマとするセッションに参加し、りそなホールディングスの南昌宏社長、全日本空輸(ANA)の三浦明彦・常務執行役員とそれぞれ対談。りそなホールディングスのネットバンキングとANAのコンタクトセンターの変革事例について意見を交わした。

 南社長は「今まで会えなかったネット側の取引基盤をしっかり構築し、リアルとネットの融合を通じて新しい顧客体験を提供していくことを目指している。IBMと連携し、ネットとリアルの融合の在り方やその先のビジネスを考えている」と語り、三浦常務執行役員は、18カ月でコンタクトセンターを刷新できたことを紹介し「両社(ANA、IBM)の責任者をトップとしたコミッティー(委員会)をつくり、進捗を確認しながら意思決定した。こうした工夫の積み重ねが期限内に完遂できた要因だ」と話した。(齋藤秀平)