キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、大学向け学習管理システム(LMS)の「in Campus(インキャンパス)シリーズ」SaaS版の販売を5月下旬から始める。これまでパッケージ製品をベースに個別のシステム構築(SI)を行っていたものを、今回初めてSaaS化した。個別SIでの販売では学生数5000人超の大規模大学を主な顧客ターゲットとしてきたが、SaaS版では500~5000人未満の中規模大学までに販売ターゲットを広げる。

福島健年 主任

 SaaS化に踏み出した背景に、コロナ禍の遠隔授業でLMSや学生向けの情報ポータルの利用頻度が高まったことが挙げられる。すでに多くの大学で、LMSに相当するシステムが運用されていると見られるものの、「実態としては学部単位であったり、利用頻度がそれほど高くないケースが少なからずあった」と、福島健年・文教ソリューション営業本部第四営業部主任は話す。

 しかし、コロナ禍を受けてオンラインでの教材の配布、小テストの実施、授業時間の確認、出欠の管理、アンケートなどをLMSで行わなければならなくなり、こうした需要増に既存のシステムが十分に対応できない課題が浮き彫りになった。in Campusシリーズを開発するキヤノンITSのもとにも大学からの引き合いが多く寄せられたことからSaaS方式での提供を決めた。

 個別SIを伴うパッケージ製品の場合、SIの工数や費用が多くかかることもあって販売先は比較的大規模な大学が多かったが、最短2週間でLMSの機能を使えるSaaS方式では、「大学全体の6割を占める中堅規模のボリュームゾーンに販売ターゲットを広げることが可能になると同時に、一部専門学校への販売も視野に入れる」考え。

 SaaS版では、LMSと学生向け情報ポータルの基本機能をそれぞれ年180万円から提供する。これとは別にオプションサービスとしてLINE自動通知や、教務システムなどとのユーザー情報の連携、シングルサインオンなどをユーザー側で選べるようにした。SaaS方式によって導入のハードルを下げることで、向こう5年で100学校からの受注を目指す。(安藤章司)