レノボ・ジャパンは7月29日、学校向けプログラミング教材「みんなでプログラミング」の有償版を発表した。これまでは、小学校向けにブロック・プログラミングなどのコンテンツを無償版として提供してきたが、中学校と高校に向けたコンテンツを拡充した。授業でプログラミングが必修科目となったことやGIGAスクール構想で「児童生徒1人1台端末」が進んでいることから、プログラミング教材の需要拡大を見込み有償化に踏み切った。提供するコンテンツは文部科学省の新学習指導要領に準拠しており、導入後すぐに授業で利用できる点などを訴求していく。
デビット・ベネット社長
記者会見でデビット・ベネット社長は、GIGAスクール構想で200万台以上のPCを小中学校に納入した実績を紹介。「当社にとって教育分野は重要な位置づけだ」とし、「今後は、導入したPCをどう活用していくかが教育現場の課題となる。みんなでプログラミングを利用することで良質なIT教育を実現できる」と強調した。
みんなのプログラミングは、教科書の出版を手掛ける東京書籍と共同開発した小学生向けのプログラミング教材として2020年8月から無償で提供してきた。これまでに100万IDの利用実績があるという。
有償版では、「小中学校向け」と「高校向け」合わせて45コンテンツを一つのパッケージで提供する。「パッケージ化することで小学校から高校まで一貫したプログラミング教育を実現できるのが特徴だ」(教育ビジネス開発部の山崎健マネージャー)としている。
小中学校向けコンテンツは、ブロック・プログラミングやタイピングといった基礎と、インターネットやSNSの活用方法などを学ぶ内容となっている。高校向けのコンテンツは、コンピューターの仕組みやPython入門、アルゴリズムの効率性といった実践的な内容で構成する。また、ブラウザーベースで提供されるため、レノボ以外のPCでも利用できるという。
教師向けには専用の管理画面を用意する。生徒一人ひとりの進捗状況の確認やオリジナルのコンテンツ制作が可能。加えて、みんなのプログラミングを導入している全国の学校と情報共有ができる「共有ステージ機能」も搭載している。
9月27日に、ディストリビューターやリセラー経由で学校向けの販売を開始する。価格は2376円(1ID)。1年、3年、5年の三つのライセンスプランで展開する。11月下旬以降は個人向けライセンスの提供も行う。
記者会見では、カシオ計算機と教育機関向けコンテンツの提供で協業することも発表した。カシオの総合学習プラットフォーム「ClassPad.net」で提供しているオンライン辞書機能(英和辞典、和英辞典、国語辞典)、デジタルノート機能などの一部機能を「ClassPad.net for Lenovo」として、学校向けに低価格で発売する予定だ。(岩田晃久)