パナソニックの社内カンパニー・コネクティッドソリューションズ社の樋口泰行社長CEOは10月22日、メディアとの意見交換会で、サプライチェーン・ソフトウェア専門企業ブルーヨンダーを買収したことについて「ハードとソフト、サイバーとフィジカルが一体で動く誰にも真似できない強みを実現する」と述べた。
樋口泰行社長CEO
樋口社長は「これまでの大量生産勝負は長続きしない可能性が高い」と現状に一定の危機感を示した上で、「今の私の大きなミッションは、長続きする収益エンジンを次世代に引き継ぐことだ」と説明し、今回の買収を今後の事業ポートフォリオの入れ替えにつなげる考えを示した。
ブルーヨンダーについては「サプライチェーン領域のパッケージソフトウェアで強みを持っている」とし、「当社のセンシングやIoT、エッジデバイス、ロボティクスなどと組み合わせることで、この領域で強力にビジネスを進めていくことが可能になる」と期待感を示した。
さらに「ブルーヨンダーは、ミッションクリティカルで非常に大事な部分で使うソフトウェアを提供しており、極めて持続性が高い。皆さんから『(今回の買収は)高い買い物だね』と言われることもあるが、シナジーを考えなくても戦略的な目的は果たした」と語った。ブルーヨンダーとは現在、買収後の「100日プラン」で今後の事業展開の方向性を話し合っているという。
新会社「パナソニック コネクト」のロゴマーク
来年4月のパナソニックの社内分社化で設立予定の新会社「パナソニック コネクト」のロゴマークも披露。一部にブルーヨンダーのカンパニーカラーを使用していることを示し「両社が一体となって協業を進め、ワンチームでコミットメントするという意味を込めた」と紹介した。
ブルーヨンダーは、製造や物流、流通業などの大手企業にソフトウェアを提供しており、グローバルで3000社超の顧客基盤がある。パナソニックは、これまで3年半にわたってブルーヨンダーと接点を持ち、日本での合弁会社の設立や、20%の株式取得(約8億1000万米ドル)などを進めてきた。その後、残り80%の株式を追加取得(70億8000万米ドル)し、今年9月に同社の買収を完了した。(齋藤秀平)