シスコシステムズは7月27日に「エコシステムパートナープログラム」を開始した。同社は3カ年成長戦略「Project Moonshot」において「パートナーとの価値共創」を掲げており、新プログラムをその推進力とする狙いだ。記者会見で中川いち朗社長は「開発者向けのプログラムとしてDevNetを提供しているが、エコシステムパートナープログラムはその取り組みを進化させたもの」と位置付けを説明。「スタートアップ企業や特定領域でユニークなノウハウを所有するエコシステムパートナーと共創し、API連携などを通してシスコのDXプラットフォーム上で提供するビジネスソリューションを拡充していく」と語った。
中川いち朗 社長
今回のパートナープログラムは登録条件を緩和し、対象企業の参入障壁を下げているのが特徴だ。具体的には3段階の認定レベルに分かれる「デベロッパー」の枠組みの下位区分として、スポンサーシップフィーが無料でシスコとのパートナー登録が不要の「プラス」と「ベーシック」を新設。事業開発やセールス、マーケティングを共同で実施しやすい環境を提供する。その一環として、ソリューション開発に役立つ動画やセミナー情報、すでに連携しているパートナーのソリューションカタログなどのコンテンツを用意する「シスコ エコシステムパートナー ポータル」を同日立ち上げた。
現時点でエコシステムパートナーの数は20社で、3年以内に100社を超えるパートナーの獲得を目指す。グローバルで共通のプログラムだが、日本における展開は他国に先行しているという。中川社長は「日本での成功がグローバルのスタンダードになる可能性を秘めている。リードしていくという気持ちで進めていきたい」と意気込みを語った。
(大蔵大輔)