Coltテクノロジーサービスは、中国・九州地域に自社の通信ネットワークや接続ポイントを近く開設する。岡山と広島、福岡の3都市で接続サービスを始める予定で、既存の東名阪の都市圏を加えて太平洋ベルトの主要都市をカバーすることになる。星野真人・社長兼アジア代表は「ユーザー企業やビジネスパートナーから中国・九州地域での接続サービス提供の要望が相次いでいた」とし、サービス範囲を広げることで需要に応える。
 
　近年では、「Microsoft Azure」や「Amazon Web Services」など大手クラウドへの接続サービスの売り上げが増えている。英国に本社を置くColtグループ全体で見ると、クラウド接続サービスは年率2割増の勢いで伸長。直近の通信トラフィック量を見てもクラウドサービスへの接続が全体の46％とトップを占め、次にインターネット接続事業者への接続が24％、CDN（コンテンツデリバリネットワーク）などが20％を占める。国内においても同様の傾向が見られ、中国・九州の都市部にサービス地域を広げることでクラウド移行の需要を取り込んでいく。


　同社の主力サービスはインターネットやクラウド接続サービス、通信ネットワークをソフトウェアで制御するSD-WANサービス、運用管理のマネージドサービスなど。同業の通信キャリアに向けては自社ネットワークの貸し出しやクラウド接続サービスをメインとし、SIerなどビジネスパートナー経由で販売する際にはSD-WANサービスを付加して販売するケースが多いという。エンドユーザーに向けてはマネージドサービスをつけることで使い勝手をよくしている。

　アジア営業担当バイス・プレジデントの大江克哉・マネージング・ディレクターは、「国内ではビジネスパートナーとの協業を重視していく」と指摘。直近の国内売上高のうちSIer経由が2割ほどを占めており、ここ数年10％台で伸びている。SIerとの協業を深めてビジネスを伸ばす方針を示す。
（安藤章司）