アマゾン・ウェブ・サービス・ジャパン（AWSジャパン）は4月20、21日の両日、千葉市の幕張メッセで「AWS Summit Tokyo 2023」を開催した。コロナ禍ではオンラインだったため4年ぶりのリアル開催となった。AWSのソリューションを使った事例紹介やブースでの体験など、クラウドを学ぶイベントに2日間で約2万5000人が来場した。
 
　20日の基調講演では、「今踏み出す、変革への一歩」をテーマに長崎忠雄社長や同社のソリューションを活用している企業や自治体が事例を紹介した。長崎社長は、なぜクラウドが選択されるのかについて「低コストでイノベーションを加速させることができる。クラウドはこれからも単なるテクノロジー以上の価値を提供できる」と語った。

　KDDIの高橋誠社長は、自社のデータドリブン経営について、コンテンツ利用データの可視化と蓄積をオンプレミスからAWSのクラウドに移行したことが出発点だったと紹介。その後、データの連携プラットフォームを全社に広げていった経緯について高橋社長は「重要なのはトップマネジメント。取り組み全体に横串を刺すことができて初めて、データドリブン経営が進むと思う」と述べた。

　また、自治体の導入事例として、神戸市の久元喜造市長が登壇。保育所の適正配置のためにAWSのデータ連携基盤で複数のシステムを統合し、効率的に判断ができるようになったことを紹介した。また、ガバメントクラウドの先行事例として、同市の一部システムを実証実験した結果について、久元市長は「災害時に直ちに予備サイトを立ち上げることができるので、ガバメントクラウドは安全性がより高いことが分かった」と利点を述べた。

　イベントでは、150以上の講演やセッションのほか、AWSやパートナー企業のソリューションを展示するブースなど約180のコンテンツを用意。導入の相談窓口なども設け、来場者が最新ITソリューションを体験した。
（堀 茜）