アステリアは6月13日、記者会見を開き、多拠点に分散するデータを収集し統合的に管理できるプラットフォーム「新Gravio」の提供を7月3日から開始すると発表した。エッジとクラウドの利点を融合させた「ノード・コンピューティング」を実現するツールとして位置付ける。複数の事業拠点を持つ製造業や小売業を販売ターゲットとして、拡販に注力する。
Gravioは、オフィスや店舗、工場に設置されたセンサーから得た情報をローカル拠点で処理する、エッジコンピューティングのためのソフトウェアとして提供されてきた。IoT機器からのデータ加工・連携やデバイスの制御をノーコードで実現できる点などが評価されているという。
平野洋一郎 社長
新Gravioは「Gravio Cloud」と呼ぶクラウド基盤上に情報を集約できるようになり、各拠点でのエッジ処理とクラウドでの管理・分析の双方に対応することが可能となった。Gravio Cloudは搭載されたBIツールによる分析や、閲覧権限の設定などができるほか、API連携による外部サービスとの接続がノーコードで可能になる。このほか、各拠点が有するデータベースやファイルとの接続、IoT機器やマシン間の通信に適した通信プロトコルであるMQTTにも対応する。
販売ターゲットとして、小売業や製造業などを挙げ、店舗や工場など複数の事業拠点を抱える中堅企業、大企業にも対応できるとした。また、現場での作業が必要になるエッセンシャルワークを事業内容とする企業での導入も見込む。
平野洋一郎社長は「新Gravioは、情報システムの手が届かなかった領域にもアプローチできるようになっており、多拠点の多要素のデータ活用に向けて、大規模な活用ができる」と述べた。
(大畑直悠)