PFUは8月29日、組み込みコンピューター「ARシリーズ」の新製品3モデルを発売した。既存機種より基本スペックを向上させ、一部に独自開発のRASコントローラーを搭載し、セキュリティー・監視面での強化を図った。各種デバイスやセンサーとの接続性を高めるため、インターフェースなども増強し、AI利用やエッジコンピューティングへのニーズに対応した。3モデル合計で5年間で4万台の販売目標を掲げる。
新製品の「AR8300 モデル300R/310R」
新製品はミドルタワー型の「AR8300モデル300R/310R」、サイズと性能のバランスに優れた「AR2100モデル120R」、最も小型の「AR2000モデル430P」の3モデル。このうち、RASコントローラーはAR8300とAR2100に搭載される。
RASコントローラーはCPUから独立して動作し、米国立標準技術研究所(NIST)のガイドラインである「SP800-193」に準拠のBIOS改ざん保護・検知・自動回復に対応する。OS上で動作するシステム監視ツールも標準搭載され、RASコントローラーと連携して監視情報を可視化できる。
AR2100モデル120Rは、デジタル入出力とリモート電源制御オプションを用意。また、3機種すべてでLAN、ディスプレイポート、PCI Expressなどのインターフェースを拡張した。
組み込み用途のコンピューターについては、エッジやAI活用などの観点から、小型化、性能向上、インターフェース拡張への要求が強くなっている一方で、セキュリティー対策も求められているという。新製品のコンセプトに関して、エンベデッドコンピュータ事業本部エッジ戦略統括部販売推進部の高橋智和・部長は「最先端の技術革新に応える組み込みコンピューター」とし、現在も活用されている産業機器、社会インフラなどの領域に加え、高性能のエッジ需要にも応える製品である点をアピールした。
4万台の販売目標に関しては、既存機種のリプレースがベースとなるものの、新たなニーズを取り込み、「(リプレース)7対(新規)3ぐらい」(高橋部長)を目指すとした。(藤岡 堯)