フリーは10月10日、クラウド型人事労務システム「freee人事労務」の新コンセプト「ピープル・エンパワーメント」を発表した。人と組織の可能性を引き出すことを狙い、人事管理だけでなく、ウェルネス、人材マッチングなどの領域で新サービスを提供し、人材に関連するトータルサービスを目指す。同日は、シフトをAIが自動作成する新製品も発表した。
同社がメインターゲットとする小規模事業所の場合、専任担当者がいないことから人事労務に関連する新しいサービスを導入できないという課題がある。そこで人事労務に関連するサービスをプラットフォームから一元的に利用できる環境を提供する。
高村大器 常務執行役員
人事労務の新機能として、ユーザーからの要望が高い「統合カスタム権限」を新たに追加する。担当者ごとに従業員情報・勤怠・給与に関する閲覧、編集の権限を付与し、現場担当者が付与された権限に基づいて作業ができるようにする。ウェルネス領域では10月2日から「freee福利厚生」の提供を開始した。人材マッチング領域では、人材不足の解消と正社員も活躍しやすい環境づくりを念頭に業務委託、スポットバイト機能などを提供する。
10月10日からは、医療分野や飲食店などシフト作成業務が発生する業種に向け、「AIシフト管理」の提供を開始した。各自の勤務希望をアプリから提出すると、AIが最適な配置を自動作成する。freee人事労務を使っている場合はAIが作成したシフトが自動連携されるが、AIシフト管理単体での利用も可能だ。
新コンセプトの狙いについて、常務執行役員の高村大器・HRプロダクトCEOは、「提供する一つ一つのサービスは、すでに世の中にあるものもあるが、これらが統合されたことに大きな意味がある」と述べ、プラットフォーム上で統合人事サービスを提供することで、中小企業も利用しやすくなるとした。
(堀 茜)