米NetApp(ネットアップ)はこのほど、ジョージ・クリアンCEOによるメディアラウンドテーブルを都内で開催した。「企業の生成AI活用が進む中、競争力を高めビジネスで成功するためにはインテリジェントなデータインフラが必要になる」と述べ、データの統合を支援していく方針を説明した。
クリアンCEOは、都内で開かれた自社イベントに合わせて来日した。「日本はアジア最大の、当社にとって最も大切な市場だ」として、多くの顧客やパートナーと会話したことを明かした。顧客企業向けへのメッセージとして「データインテリジェンスの世界で成功するには、自社のビジネスを深く理解し、データを統一することが必要になる」と述べ「顧客企業の目標達成のためにデータインフラで支えていく」と表明した。
米NetAppのジョージ・クリアンCEO
日本企業にはサイロ化したデータが多く残っていたり、AIへの取り組みが遅れていると言われたりしている点について意見を求められると、「データのサイロ化は弱点になる」と指摘。「ビジネスリーダーは、部署ごとのデータを会社全体のデータと認識し、プロセスを統合する必要がある」との見解を示した。また、グローバルでAIの普及が早い業種を問われると「データの管理をしてきた業界の方がAIの普及も早い」と述べ、「データに目を配らないと、AIに投資してもうまくいかない」とデータ管理の重要性を強調した。
日本におけるビジネス拡大の方向性について、日本法人の中島シハブ・ドゥグラ社長は、これまでエンタープライズ向けに多く導入が進んできたことを紹介し、「今後は公共分野と中規模の企業に注力してきたい」と展望した。
(堀 茜)