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日立システムズとEIZO、「CYDEEN 映像データ利活用システム」を提供
2025/07/04 16:17
新サービスは道路、上下水道、電力、鉄道などの社会インフラを監視する映像データを統合、共有、鮮明化、分析などの機能を用いて利活用できるようにするもの。これにより、老朽化した設備の劣化や不具合を早期に発見することが可能となる。また、設備の老朽化にともなう作業の安全性確保や、少子高齢化による人手不足などに課題をもつ社会インフラ維持管理の現場の安全性向上や業務効率化を実現し、現場で働くフロントラインワーカーを支援する。
近年、道路、上下水道、電力、鉄道など、生活を支えるインフラが老朽化している。これにより、道路陥没、トンネル崩落、コンクリート片落下など人命に関わる事故やライフラインの寸断といった深刻な問題が発生し、社会課題となっている。日本では、加速的に老朽化する建物の割合が増えており、2030年には「社会インフラの老朽化問題」はさらに深刻化する見通し。加えて、少子化や熟練作業者の退職にともなう担い手不足や技術伝承に関わる問題が発生しており、効率的なメンテナンス体制・仕組みを構築し、現場の安全性を向上するとともに業務を効率化するための取り組みが急務となっている。
CYDEEN 映像データ利活用システムは、先進の映像技術を使用した映像データの利活用によって、社会インフラ維持管理のフロントラインワーカーを支援するサービス。日立システムズはこれまでも、社会インフラの現場を支えるフロントラインワーカー向けに社会・公共ソリューション「CYDEEN」を中心とした社会インフラ保守サービスの提供を行い、また、以前からEIZOとともに、高速道路や発電所の映像統合や鮮明化による映像データ利活用の取り組みを行ってきた。
今回、映像の統合から共有、鮮明化、分析、利活用までを一貫したサービスとして提供することで、道路、上下水道、電力、鉄道など幅広い場面で映像の利活用を推進し、老朽化した設備の劣化や不具合を早期に発見するとともに、フロントラインワーカーのさらなる安全性の向上と業務効率化を目指す。
主な特徴としては、異なるメーカーのカメラ映像でも新サービスによって映像を統合・配信することで、複数の現場のカメラ映像を事務所にいる管理者のPCやタブレットなどのさまざまなデバイスで閲覧することが可能。これにより、管理者は、速やかな意思決定ができ、複数の現場の作業者に対し、歩調を合わせたタイムリーな指示を送ることができる。
経験の浅い作業員が現地から映像を熟練作業員に共有することで、熟練作業員が現場に駆け付けなくても、現場にいる作業員に対して、遠隔で作業をサポートすることが可能。これにより、熟練作業員が知る現場の危険回避に関する情報の共有や作業員の熟練度に頼らない人員配置、熟練作業員の工数削減ができる。また、映像信号のみを分配して配信することで、セキュリティーを担保し、インターネットへの接続が難しい制御システムを安全に遠隔で確認することができる。
不鮮明な映像をリアルタイムまたはオンデマンドで鮮明化してモニターに表示できる。これにより、人が立ち入るのが危険な暗所の遠隔監視ができたり、撮影済みの映像が不鮮明なことがあっても、撮り直しすることなく、現場状況を的確に把握したり、老朽化した設備の不具合を発見することができる。
人の目だけではなく、AI分析も組み合わせることで監視精度を向上する。AIによる分析で、人の分析工数も削減する。
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