日鉄ソリューションズは、開発・本番環境を一体化したプラットフォーム「Nestorium（ネストリウム）」の開発ロードマップを7月25日に公表した。2025年度から運用をスタートしたNestoriumは、現在、平日9時から17時までサービスを提供。26年度は24時間体制での運用へ移行し、27年度はセキュリティー対策など運用を高度化。28年度には複数企業で共同利用するプラットフォーム機能を強化する計画を立てる。
 
　Nestoriumは、開発と本番環境を一体化したプラットフォームで、「永続的に機能を追加し、常に最新の状態で使い続ける」（有澤徹・執行役員技術本部長）DevOps型の業務アプリの基盤として開発した。従来の古いシステムを新しいシステムに置き換えるスクラップ＆ビルド型のSI方式とは一線を画すものだ。


　同社では、将来的に複数企業が共同利用する業界ビジネスプラットフォーム事業の拡大を視野に入れており、Nestoriumは共同利用型システムの競争力を高める上で重要な役割を担う。並行して業務知見のアセット化によるSI効率の向上、生成AIを活用した生産革新、ならびに「（従来の人月ベースの契約ではなく）成果物の価値ベースの契約へ段階的に切り替えていく」（小野卓彦・技術本部技術戦略統括部プラットフォーム推進室長）取り組みも進めている。

　3カ年中期経営計画の最終年度に当たる27年度には、生成AI活用比率を金額ベースで全体の50％、アセット活用比率を25％、共同利用型プラットフォームを1％とする目標を掲げている。中計初年度は従来型SI比率が95％を占めていたが、Nestoriumを起爆剤として「ドラスティックに変革していく」（有澤執行役員）方針だ。
（安藤章司）