NTTドコモビジネスと仏Dassault Systemes(ダッソー・システムズ)日本法人は、全光ネットワークのIOWN APNを使って、3次元CAD(3D CAD)の遠隔共同作業の実証実験を行ったと12月4日に発表した。東京・武蔵野市と大手町のドコモビジネス拠点間約20キロをIOWN APNでつなぎ、3D CADの共同作業を行ったところ、通信速度が既存の通信ネットワークと比較して最大で5倍となり、「事業所内のLANとほぼ同等の使用感」(NTTドコモビジネスの羽石正則・イノベーションセンターIOWN推進室担当課長)を実現できたという。
NTTドコモビジネス
羽石正則 課長
実証実験では、飛行機やクレーン車などの3D CADデータを使い、編集可能な状態まで同期される時間を計測。飛行機の場合では、約50ギガバイトのデータを開くのに既存ネットワークでは約20分かかっていたものを3分50秒に短縮。事業所内のLANは3分45秒であるため、同一事業所内で共同作業をするのとほぼ同等の速度を達成できた。クレーン車の場合も、事業所内の1分35秒と遜色ない速度となった。
仏Dassault Systemes 日本法人
ステファニー・ミュレ Mgt Director
3D CADデータは「設計の複雑さや部品点数の多さによってデータの量が増える」(ダッソー・システムズ日本法人のステファニー・ミュレ・ENOVIAインダストリープロセスサクセスAPAC Mgt Director)のは避けられず、複数人で共同作業を行う場合、従来は同一事業所内で作業を行うか、別々で作業を行って最後に結合するしかなかった。IOWN APNを使えば遠隔地でも事業所内と同様の環境が実現できるとしている。
(安藤章司)