NTTドコモビジネスは9月30日、セキュリティー機能とネットワーク機能を統合したNaaS（Network as a Service）　　「docomo business RINK」の新機能「WANセキュリティ」の提供を開始した。PCやOA機器などに対する不正な通信を検知する。また、12月からはセキュリティー機能を搭載したIoTサービス「docomo business SIGN」の提供を予定しており、NaaSのラインアップの拡充を進める。

　9月26日に開いた記者会見で、常務執行役員の藤嶋久・プラットフォームサービス本部クラウド＆ネットワークサービス部長は企業のICT環境について、クラウド利用の拡大や働き方の多様化、AIの導入加速といった変化に直面している一方で、サイバー攻撃の高度化やIT人材不足といったリスクも増大しており、限られた人材で迅速かつ柔軟な対応が求められ


　NaaSは、ネットワークやセキュリティー機能をクラウドサービスのようにオンデマンドかつサブスクリプション形式で利用できる仕組み。これにより、企業は過剰な初期投資を抑え、必要な機能を迅速に導入できるため、事業展開の加速、ICTコストの最適化、セキュリティーガバナンスの強化が実現できるという。

　WANセキュリティは、ネットワーク組み込み型セキュリティー機能。企業の通信全体を監視し、エンドポイントセキュリティーの導入が難しいOA機器や工場のIoT機器などへの不正通信も検知・遮断できる。特許取得済みの脅威検知・遮断機能や通信ログの保管、普段と異なる挙動や兆候を検知してアラートを出す、サプライチェーン間で脅威検知情報を共有するなど、さまざまな機能を備える。藤嶋常務執行役員は、「通信キャリアだからこそ実現できる新たな仕組み」と説明した。。同社のビジネスポータルから申し込み可能で、利用料金は1拠点あたり月額2600円から。

　docomo business SIGNは、WANセキュリティと同じようなセキュリティー機能を標準搭載していることに加えて、脅威インテリジェンスを活用した独自の脅威検知・遮断機能により、悪性サーバーと通信していた場合は、管理画面からSIM単位で通信を遠隔遮断する。また、システム構築に必要な機能を組み合わせたテンプレートを提供し、導入の複雑さを解消する。料金は数百円から、データの利用量に応じて変化するという。

　今後5年間の売上目標として、WANセキュリティ関連で累計1500億円、docomo business SIGNで500億円を掲げる。（南雲亮平）