リコージャパンは、顔認証システムなどを開発するセキュアと資本業務提携したと3月9日に発表した。オフィスや工場、倉庫、店舗などのワークプレイス(職場)の物理セキュリティーを強化することに主眼を置いたもので、リコージャパンがセキュアに9億6000万円を出資し、セキュアはリコージャパンが開発するデータ連携基盤「RICOH Spaces」と連動する顔認証システムなどを開発する(図参照)。協業によって2030年度までに年間100億円の売り上げを目指す。
リコージャパンの資料を基に『週刊BCN』編集部で作成
リコーの来客受付や会議室予約、座席予約のシステムなどと、セキュアの顔認証システムをRICOH Spacesによってデータ連携させることで、顔認証を起点に「オフィスや会議室の入退室を統合的に管理できるようにする」(リコージャパンの宮本裕嗣・取締役常務執行役員)。ほかにも、例えば本社の情報システム部から支社支店や工場、店舗、海外事業所の入退室管理や防犯カメラ映像などを一元的に管理することも可能になり、「ユーザー企業の全ての事業所の物理セキュリティー強度の底上げ、均質化に役立つ」(セキュアの谷口辰成社長)と話す。
リコージャパンの宮本裕嗣常務(左)とセキュアの谷口辰成社長
今回の資本業務提携によってセキュアは、顔認証や防犯カメラなどの主力製品をRICOH Spacesに対応させるとともに、リコージャパン専任の営業部門をつくり「場合によってはリコージャパンに常駐して協業を深めていく」(セキュアの横井文昭・取締役副社長)とし、まずは10人体制でリコージャパン専任の組織を発足させた。リコージャパンはITとワークプレイスの設計の両方に精通した専門人材の育成に力を入れるとともに、セキュアとの協業を推進する専任の担当者を拡充していく。26年度は首都圏、27年度は主要都市圏、28年度は全国対応できるようにする計画だ。
リコージャパンは、18年頃からセキュアの顔認証や防犯カメラなどの一部商材の取り扱いを始め、22年から本格的に協業をスタート。以来、「年平均17%の成長率で両社協業による売り上げを伸ばしてきた」(宮本常務)という。
リコージャパンのワークプレイス関連事業にほぼ相当するリコー本体のワークプレイスエクスペリエンス事業セグメントの第3四半期累計(25年4~12月)の国内売上高は、前年同期比15%増の166億円に達しており、ITインフラやITサービス、アプリケーションサービスと並んで注力事業セグメントの一つに位置付けられている。セキュアと資本業務提携することで、30年度までに年間100億円規模の売り上げを創出し、ワークプレイス関連事業の成長を加速させていく。
(安藤章司)