米Salesforce(セールスフォース)は3月、新パートナープログラムの適用を国内でも始めた。顧客の成功を軸にパートナーを評価する点が特徴。ジム・スティール・プレジデント・グローバルストラテジックカスタマーズ&パートナーズは「AIによる変革に対応した刷新だ」と強調する。
(大畑直悠)
ジム・スティール プレジデント
新プログラムでは「プロジェクト実績」「エンドユーザーの顧客満足度(CSAT)」「取得認定資格」に応じてパートナーを評価する。CSATを重視することで、顧客の売り上げの増加やコストの削減、生産性の改善など、製品導入後に顧客に成果が生まれるまでパートナーが伴走するように促す。これまではインプリメンテーションや契約の数を主要な評価軸としていたが、今後は導入後もデータの活用や安全性の確保のために、顧客との継続的な関係構築を期待する。
「Agentforce」に関しては、顧客への導入数に加え、アクションや会話の数といった、実装後のAIエージェントの稼働状況などを参考に、同製品の活用促進に対して一定の基準を満たすと判断したパートナーにインセンティブを支払う。
スティールプレジデントは「生成AIの台頭とともに、顧客との関わり方は変わってきている」と指摘。その上で、「顧客のビジネス環境の中に新しいデータが入ってくれば、新しいインサイトが生まれ、Agentforceの新しいユースケースも創出される。このサイクルにパートナーも入って、顧客を成功に導いてほしい」と呼び掛ける。また、AIエージェントの導入はPoC(概念検証)で止まるプロジェクトが多い傾向にあることから、ユースケースの探索から業務での定着までの一貫したサポートを重視する。
同社ではAIエージェントを企業で活用するには、四つのレイヤーが必要だとみており、これに沿って製品体系を整理している。具体的には人間とAIが協調して働くためのインターフェースとなる「System of engagement」、AIエージェントを構築・制御する「System of agency」、業務フローとなる「System of work」、データマネジメントを担う「System of context」だ。
必要なシステムが広範になることから、各レイヤーに専門性を持ったパートナーやレイヤー間の橋渡しをするパートナーの重要性が高まっているとする。スティールプレジデントは「生成AIの活用はデータ連携やセキュリティーの担保が必要で、(企業での利活用は)簡単ではないと感じられ始めているのが現在の状況」と話し、パートナーエコシステムによる顧客への支援の重要性は高まっていると訴える。
このほか、パートナーポータルも刷新した。パートナーの案件登録やパートナーに対するリードの提供などをより効率的に行えるようになる。また、これまであった170のパートナー専門分野を、顧客の購買パターンに合わせた28の重点領域に集約し、シンプルにした。エンドユーザーにとっても目的に合致したパートナーを迅速に特定できるようになる。