Specteeは5月29日、製造業向けサプライチェーン・リスク管理クラウドサービス「Spectee SCR」の新戦略を発表した。自然災害や地政学リスクに加え、サプライチェーンの全体像が把握しづらい課題がある中、AIエージェントを中核とした機能強化に踏み切る。
村上建治郎 CEO
サプライチェーンは多層化が進み、多くの企業では把握できているのは取引先の一部にとどまり、その先のサプライヤーまでは分からないケースが多い。村上建治郎CEOは「サプライチェーンの約8割は見えておらず、ブラックボックス化している」と指摘。2次、3次のサプライヤーになるほど把握が難しく、問題が起きても自社への影響に気づくのが遅れる要因になっている。
Spectee SCRは、SNSやニュース、気象データなどをもとに世界各地の出来事を検知し、どのサプライヤーに影響が出ているかを一覧で把握できる。災害時には、影響を受けた可能性のある企業を自動で抽出し、状況確認の連絡や回答の集計も自動化する。導入した自動車部品メーカーでは、地震発生から経営層への報告までにかかる時間が従来の12時間から2時間に短縮されたという。
今回の新戦略の中核となるのがAIエージェント機能だ。発生した出来事をもとに自社への影響や関係するサプライヤーを整理し、次の対応を提示する。「人とAIの役割分担を再定義する」とし、2026年はサプライチェーンの全体像を把握する基盤を構築し、27年には判断支援を本格化、28年には企業間で情報を共有しながら対応する仕組みの構築を目指す。
初動から打ち手までの時間を劇的に短縮できるとしており、村上CEOは「AIは情報整理と提案を担い、人は判断と行動に集中する」と説明した。
(山本浩資)